2007年08月27日

私にとってのニセ科学問題

「ニセ科学」とは言うものの、実はわたしにとって「ニセ科学問題」はぜんぜん自然科学の問題じゃない……ような気がする。
どっちかというと、「合理的思考ができるかできないか」という問題です。

これは、なにかを主張するときに、「それなりに合理的な根拠に基づく、議論に耐えうる主張」ができるか、それとも「個人の印象や限られた体験など一般化しづらい根拠に基づいた主張」しかできないか、さらに「その両者を見極められるか」という問題と言い換えることもできます。

自然科学においてもその区別は重要なものなので、これ幸いと「ニセ科学」をお題に雑誌記事にしたりあちこち情報を漁ったりしているわけですが、本筋のところは、上記のようなところが論点です。

自然科学関係じゃなくて、たとえば政治的な主張でも、教育に関することでも道徳的な主張でも、なんでも一緒です。「筋の通らない話」を見分けようとしつつ、なぜ「筋の通らない話」に引っかかる人が出てしまうのかを考えています。
タグ:ニセ科学論
posted by 亀@渋研X at 19:48 | Comment(14) | TrackBack(0) | そもそも | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 私にとってのニセ科学問題

2007年08月23日

グラフったら悩ましい

ええと、次回の渋研、じゃなくって「PSI九段下ニセ科学研究所」のお題は統計とかそういう話です。
入稿が、先日終わりました。って、終わってないよ。ええと、編集者渡しが終わりました。デザイナーさんから校正が上がってくるとかいうのはこれからです(いまどきの校正は印刷会社からではなく、デザイナーさんから来るのです)。
で、そんで記事中でネタのひとつに使おうとしたグラフで、意外に手間取っちまった話。

下記の2つのグラフは、ほぼ同じ事を表しているのだという話でもあります。

graph01.jpg

graph04.jpg

続きを読む
posted by 亀@渋研X at 05:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | MONOQLO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - グラフったら悩ましい

2007年08月16日

安斎育郎さん「霊に惑わされるな」

読売新聞の「くらし」面で8月14日から「なぜ?スピリチュアル」という連載が始まっている。毎日掲載するらしく、本日で3回目。びみょうーに肯定的なように見えて、ちょっと気になるもので、Webでも見られないかと思ってYOMIURI ONLINEを見に行ってみた。そしたら前項の書評と、下記の記事を見つけた。

霊に惑わされるな 立命館大学教授 安斎育郎さん 66(読売新聞 関西版 2007年02月07日)
http://osaka.yomiuri.co.jp/kokorop/kp70206a.htm

安斎さんは知っている人は知っている、立命館大学の教授にしてジャパン・スケプティクスの代表だった人。
 その安斎さんが「輪廻(りんね)転生」は、科学的事実だと言う。
ええー? と思ったワシは考えが浅い人でありました。

続きを読む
posted by 亀@渋研X at 08:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 安斎育郎さん「霊に惑わされるな」

【種】『幽霊を捕まえようとした科学者たち』

2007/12/18:カテゴリー「ニセ科学対策教材の種」から、新設した「スピリチュアル/オカルト」に移動。と思ったけど、タグを付けることで対応することに方針変更。新カテゴリはヤメ。なにやってんねん、おれ。

心霊現象や超能力、超自然現象などについて非科学的といった態度をとると「科学で解明されていないものを一刀両断して捨ててしまう『科学万能主義者』」といった批判にさらされることがある。
では、科学は最初からオカルトをまともに相手にしなかったのか。実は、必ずしもそうではない。否定的な意味ではなく心霊現象に科学の光を当ててみようとした人が、科学的に実証できるのではないかと取り組んだ人がいなかったわけでは決してないのだ。
そうした事情を雄弁に語る本が現れたようだ。

書評:デボラ・ブラム『幽霊を捕まえようとした科学者たち』文藝春秋(読売新聞 2007年7月9日)
http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20070709bk06.htm

同書は、心霊現象を肯定的に解明しようと取り組んだ科学者たちの営みを紹介している本のようだ。評者・川出良枝(東京大学教授)によると……
19世紀後半の欧米でも[亀註:現代と]似たようなブームが巻き起こった。霊媒師が人気を博し、各地で降霊会が催されたというのだ。面白いのは、そういった超自然現象を「科学では割り切れないもの」とみなすのではなく、まさに科学によって解明していこうという機運が高まったことである。(略)心霊現象の一切を頭ごなしに否定する科学者たちに対抗し、死者との通信やテレパシーや空中浮揚の実在を証明するため、大まじめで大がかりな実験や調査がなされたというのである。


続きを読む
posted by 亀@渋研X at 08:02 | Comment(0) | TrackBack(1) | ニセ科学対策教材の種 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 【種】『幽霊を捕まえようとした科学者たち』

2007年08月12日

メディアの形と質

今朝、TAKESANさんちでアララなエントリを読む。

ケータイ小説(2007年8月12日)
http://seisin-isiki-karada.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_2244.html

元ネタはアメーバニュースのこの辺とか痛いニュースのこの辺とか。
【註】むろんTAKESANさんがアララなのではなくて、元ネタの論旨がアララなのだ。
かつて紙で同じようなことをやっていた身として、思わずコメントを残しつつ、夜になって「踊る新聞屋ー。」さんで関連エントリに遭遇。こちらではウケケと変な快感。

[media]コンテンツは技術に規定される。ではこの先は?(2007年8月12日)
http://t2.txt-nifty.com/news/2007/08/media_0dbd.html

「踊る新聞屋ー。」さんは
いわゆるジャーナリスティックな記事のあり方が、ケータイやいずれ出てくるであろう技術によってどう規定されるのか、変わっていくのか、記事の書き手がどんなリテラシーを要求されるのか
と書いていますが、これ当然アリな認識ですよねえ。

続きを読む
posted by 亀@渋研X at 22:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - メディアの形と質

2007年08月10日

track word

先日から「track word」なるサービスを使って見ている。
〈そのページが「どんなキーワードで」検索されているかが表示される〉という話。
http://www.trackword.net/

さっきふと見たら、こんなん。
trackword.jpg
えーと(汗

続きを読む
posted by 亀@渋研X at 03:58 | Comment(1) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - track word

2007年08月09日

江原啓之スペシャル 天国からの手紙

『江原啓之スペシャル 天国からの手紙〜亡き家族からのメッセージ〜2007夏』
http://www.fujitv.co.jp/tengokuehara/

8/7に放映されたこの番組、たまたまちらっと見たのですが、見ていられなくてすぐに消してしまいました。数名の幼稚園児が亡くなった事故かなにかを採り上げて、当事者や園児たちに「亡くなった子どもたちが、生前の親切をありがとうって言っている」みたいなことを言って泣かせていました。
無力感や絶望感にさいなまされている人の心の重しを取り除くためには有効な部分があるのだと思います。視聴者も、そこに共感しているのでしょう。

続きを読む
posted by 亀@渋研X at 18:16 | Comment(6) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 江原啓之スペシャル 天国からの手紙

2007年08月01日

耕さない畑

ココログがメンテ中なのでエントリにしてTB。

アップデートされない知識(Interdisciplinary 2007年7月31日)
http://seisin-isiki-karada.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_0840.html

「古い知識では役に立たない場合がある」ということって、どうやって身につけてるのか考えてみると、単に「そういうこともある」と知るだけでは十分でないことがあるのかもしれませんね。実際に「知識が更新されてなかったので判断を間違えた」とか「通用しなかった」というような経験があれば身にしみるんですけど。
現代だと、小学校でも単元が進んだときに類似の体験ができるんだけど、印象には残らないしなあ。
あとは、「類推する能力」というか「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」ようになれる才能というか、想像力やら用心深さやらが必要なのかもしれません。

続きを読む
posted by 亀@渋研X at 02:48 | Comment(1) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 耕さない畑