私が「クリスタルチルドレン」に懸念を持つわけ(くりずの雑感 2008年6月12日)
私が懸念する問題点は次の2点です。この辺、ぼくは十分に気づけていなかったけれども、ほぼ全面的に同感です。
(1)必然的に子供を巻き込むこと
(2)自閉症という障害に関する理解を妨げること
(略)
バーチューの思想にも外的な困難を自分の内面の問題にすりかえてしまうという面があるようです。そして、批判を悪いことだとする教えもある。(例えば「天使から学んだ10の教訓」というページには「3. もめごとは、すべて心の投影。」「8. 批判しない。」「9. 意識の持ち方が人生を決める。」という項目があります。)
これでは、子どもに高い理想を押し付ける一方で、「批判するな」というメッセージを送ることになるんですね。しかも、問題が起こるのは自分の心の持ち方にある、という。
このような思考様式は、親には都合がいいかもしれませんが、子どもにとってはかなり抑圧的に働くものです。
乱暴な想像になりますが、歌はともかくとして、その向こうのバーチューの思想に惹かれてしまう方って、なんか、やっぱり自分の満たされない部分の投影っていうような構造があるのでしょうか……。
ほかのいろいろなオカルト的なもの、ニセ科学的なものでも同じなんですが、「自分が信じている分には構わない」と言える。言えるんだけど、「これいい」と信じてしまったら、内心の問題だけに留めておくのはなかなか難しい。「社会」なんて大きいことを言い出さなくても、家族などの身近なところへは、どうしても影響がいく。
そして、それが子どもにまつわるものだったら。
また、改めて考えたこと。
「一見いい話に見える」(見る人によっては)というのは、やはり重要なポイントなのでしょう。百猿にしても水伝にしても波動にしてもゲルマニウムにしても、人口に膾炙するオカルトやニセ科学は、決まってそういう構造をもっていますよね。言い換えれば「使える技術」「実効性のある技術」に見えるのかもしれない。
この辺、やはりトラックバックをいただいている「「使える/使えない」と科学、あるいは大半の疑似科学は本当に技術か」ともからめて、いろいろ考えてしまいます(最近、改めてトラックバックをくださったのは「疑似科学批判者が陥りがちな罠について。」[小学校笑いぐさ日記 2008-06-07]で、この件についてのエントリは準備中)。
ところで、くりずさんちは、
6月も半ばに入ろうとしているのだけれど、相変わらず「クリスタルチルドレン」で検索してくる方が多いんですね。だそうな。以前の「NHKでクリスタルチルドレン」(2008年5月12日)という記事へのアクセスのことですね。
つうか、そればっか…(汗)
そういえば、くりずさんにトラックバックいただいたうちの記事は「○○の歌が毎日さりげなく放送される。オッケー?」(5月11日)と「クリスタルチルドレンとはなにか」(5月21日)なんだけど、ここら辺のアクセス数とかはどうなってんだ、と見てみた。
ギョッとした。
ここ1カ月のページ別アクセス数:
ここ1カ月の検索キーワード:
うわ……。うちでもベスト10入りしてる。
ひょっとして、検索するとウチとかくりずさんところとかが上位に来るのか? とググ、そんなことはありませんでした。簡単にはうちの記事なんか出てこない。ううむ、どう考えたらよいものか。
で、ググったときに、YouTubeのこんな動画を見つけた。
NHK「みんなのうた」のトンデモ無抵抗主義ソング
「チャンネル桜」という放送局の番組の一部のようだ。
「チャンネル桜」は日本で唯一の真実を報道するTVです。ネット放送局So-TVとスカパー241chで見る事が出来ます。だそうだ。
なんか右の方の放送局を自認しているのかな。動画のタグを見ると「無抵抗主義」で「社民党」的で問題だ……と映るらしい。
タグ:出だしのところぐらいしか見ていないのだけど、「北朝鮮を思わせる」なんていう論評もしていて、なんていうか、これはこれで「(私が)悪い(と思う)ものは、ほかの(私が)悪い(と思う)ものに似ている」という乱暴な思考方法のような……。
NHK みんなのうた クリスタルチルドレン CRYSTAL CHILDREN エイベックス・イオ 左翼 社会党 社民党 反戦 無抵抗主義 非武装中立 洗脳 チャンネル桜
もひとつ見つけたのが、「あの」きくちゆみさんが絶賛しています。
クリスタル・チルドレン(きくちゆみのブログとポッドキャスト 2008/05/30)
http://kikuchiyumi.blogspot.com/2008/05/blog-post_30.html
こういう例を見ると、確かに「(私が)悪い(と思う)ものは、ほかの(私が)悪い(と思う)ものに似ている」と思いたくもなるのですが、そしてまた、実際に「あることについて無茶な考え方をする人は、ほかのことについても同様に無茶な考え方をする」ってことはあるとも思うのですが。
関係ないんだけど、似た構図としてはこういう例もあるし。
エフェクティブ・マイクロオーガニズムス教団、略して・・・(もっと休むに似ている 2008/06/06)
http://gallerytondemo.blog.shinobi.jp/Entry/74/
それはともかく。
やっぱり、クリスタルチルドレンの件は、もう少し動いてみないといかんなあ。改めてそう思ったのであります。
先日はTBを送っていただいたのに、何のお返事も返さずすみませんでした。
で、そんな無精をしていながら厚かましいですが、クリスタルチルドレンについてのエントリをあげましたので、お知らせに参りました。
「私が「クリスタルチルドレン」に懸念を持つわけ(3)」
http://kurizu.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/3_e624.html
内容は、「クリスタルチルドレンは障害を受け入れてもらうための方便」という視点に対する反論ですので、おそらく、こちらで言及されている「技術としての疑似科学」という問題に絡んでくるかなと思うのですが。
「いい話」に異議を差し挟むのもいろいろと厄介だなぁ、と感じている今日この頃です。