ただし、ぼくは心理学を学んだわけではありません。いま、にわかに調べた程度です。
特にここで挙げている書籍については、実際に読んだわけではなく、出版社をはじめとする各所での紹介や目次、amazonなどの読者レビューなどから得た情報に基づいた判断で書いています。ツッコミ希望。
高校生のための心理学
中部大学の先生の作ったページ。高校生にオープンキャンパスなどで受けることが多い質問と,その答えを簡単にまとめている。「1. 心理学って何?」「2. 心理学の2大領域」「3. いろんな心理学」とリンク集という構成。入り口はすごく簡潔だけど、「いろいろ」の先なんか、なかなか詳しいよ。
心理学を学べる大学(日本心理学会)
心理学って、なに学部にあるのか、なに学科だと学べるのか,よくわからんことが多い。一般教養にもたいがいあるので紛らわしい。なのでこれは便利だと思う。それにしても、全国の、とってもたくさんの大学で学べるですなあ。
心理学関連資格一覧(日本心理学会)
すぐに仕事に結びつくものばかりではありませんなあ。
■心理学の入門的な本
上掲サイト「高校生のための心理学」でもわかるけど、心理学は大変に幅の広い学問。「○○心理学」なんていうのがたくさんある。なので、だいたい全体像をつかめそうな本を紹介。できるだけ古くないヤツね。
とっつきやすく、わかりやすいだろうと思うものから順に紹介しているつもり。
全部の本を読む必要は、もちろんないと思う。よさそうな本だと思ったら、リンク先も見てみて。ちょっと詳しい紹介などが出ているから。
後の方でアルファベットで紹介した本は、ちと本格派な本。数字で紹介した本を1、2冊読んでから進むのがいいと思う。がっちり読み解けるのは大学に入ってからかも。ま、それまでは図書館で借りて読む手もある。
1)森まりも『チビクロこころ―中学生高校生のための心理学入門』(北大路書房)1,470円
絵本ぽいからといってバカにはできない本。高崎経済大でも使われている。「心理学って、どういう学問なのか」を説いた本。内容的には、けっこう深い。まず最初に読んでみよう。amazonの読者レビューが詳しい。
北大路書房は、心理学の本をたくさん出している出版社。あ、次もそうだ。
2)市川伸一『心理学って何だろう - 心理学ジュニアライブラリ 00』(北大路書房) 1260円
心理学ジュニアライブラリというシリーズの一冊。このシリーズは、心理学について知るだけでなく、心理学によってこういうこともわかってるんだ、なんていう「心理学を味わう」「心理学を体験する」ことができる。その1冊めがこの本で、まずは心理学っていうのはどういうものなのか知っておこう、というわけ。どれも100ページちょっとで薄いし、このシリーズはどれもオススメかも。
3)松井豊『高校生のための心理学』(大日本図書)998円
この本によると、受験生の「心理学」のイメージは誤解だらけらしい。そうだろうなあ、とぼくも思う。というか、世間一般が心理学に抱いているイメージが誤解だらけなのだろう。
というわけで、この本の詳細はよくわからないのだけど、イメージと実際がどう違うか、ちょっと読んでみるのもいいんじゃない? amazonで「この本を私が高校時代に手にしていたら、絶対心理学の道に進んだのになぁ」って言ってる人もいました(^^)
出版社にはすでに在庫がないようなので、アマゾンで買おう(まだ5冊あるらしい)。その後は図書館だな。増刷希望な本かも(^^;;
4)教学社編集部 編『心理学科をめざすあなたへ―高校生のための進路ガイド』(教学社)819円
「心理学科の大学生・卒業生・先生あわせて200人以上のナマの声を集めた、高校生のための心理学科ガイド」だそうだから、進路を検討するにはうってつけかな。特に、具体的な大学名や教員名を「オススメ」として挙げていたりもするそうなので、どこにどんな先生がいるのか知るのにもよさそう。
5)ナイジェル・C. ベンソン著、清水佳苗・大前泰彦訳『マンガ心理学入門―現代心理学の全体像が見える』(講談社 ブルーバックス)840円
イラスト式でとっつきやすそう。ただし、いわゆるマンガではない。amazonでも表紙が見られるのだけど、それでわかるようにバタ臭〜いイラスト。でも、こういうのもハマると楽しいよ。
内容がちょっと独特なところもあるようだけど、最初のころに読むには十分だろうと思う。
こっちの個人ブログも参考になる。amazonの読者レビューも。
6)都筑学『やさしい心理学―心の不思議を考える』(ナカニシヤ出版)1,680円
これも「チビクロこころ」といっしょに高崎経済大で使われている(「チビクロこころ」の次に教材として使う)。大学1年生を主な対象にした本だっていうんで、この位置にしたんだけど、先に読んでもいいかも。特に、入門書に疲れたら読んでみるといいと思う。
っていうのは、心理学のことをちょっと調べると、統計がどうのとか分析がどうとか、実験心理学の手法についての話が多いじゃない。で、「それって理系じゃねえの?」「かったるそう」とかなって、「心理学のおもしろさ」がどっかに行っちゃいそうになるわけ。でも、実験心理学だけが心理学じゃないし(基礎のひとつだけど)、統計やなんかっていうのは、ある意味で「道具」でしかない。
心理学のおもしろさとか、なんで心理学なんだっけってところがわかんなくなったときにも読んでみるといいんじゃないかな。
7)久能徹・松本桂樹監修『図解雑学 心理学入門』(ナツメ社)1365円
「雑学」とうたっているように、読みやすさ・わかりやすさ重視の本。ただしオトナ向けだけど。ナツメ社のサイトで紙面見本を見ると、いわゆる実用書っぽいね。amazonのレビューではなかなか評判がいい。
「図解雑学」シリーズには「社会心理学」「発達心理学」などもある。こういうのにうまが合うようなら、シリーズを読み進めていってもいいと思う。
8)海保博之『心理学ってどんなもの』(岩波ジュニア新書)777円
「大学では何を学ぶのか」「どんな進路や資格があるのか」「占いと心理学は関係があるのか」「心理学を勉強すると、人の心が読めるようになるか」など40項目にわたって解説される。
ほんとなら上位に来るはずの本なのだけど、「ジュニア新書」のくせに難しい言葉が説明なしでそのまま使われていたりすると言ってる人も複数いるのだ。ひょっとするとほかの本と併せて読まないとつらいかも、ということでこの位置にしてある。
しかし、岩波がそこまでのヘタを打つとは考えにくい(実はどっかに用語集が掲載されているのに、評者が気づいていないとか)。ま、実物を見ないとなんともわからんのだけど。
9)三木善彦、橘英弥、滝上凱令、南徹弘『新版 心理の仕事』(朱鷺書房) 1,680円
大学の後=就職先ってどんなのがあるのかを考えてみるのもいいかもしれない。この本では心理学を活かした仕事の数々が紹介されている。心理関係の資格、心理学を学べる大学・大学院の最新データなどの一覧もあり。
ここから後は、上記の本を1、2冊読んで、各分野についてではなく、心理学そのものについてもちょっと詳しく、とかいう気分になったとき用。高校生の間は斜め読みや、わかるところだけ拾い読みでオッケーなんではないかと思う。
A)サトウタツヤ,高砂美樹『流れを読む心理学史 - 世界と日本の心理学』(有斐閣アルマBasic)1700 円
学問に限らないけれども、あることについて知るには、その歴史を知るのが手っ取り早いという側面がある。先人は何を目指していたのか、どういう変化があって今の状況があるのかがわかるからだ。心理学のように多岐にわたるものは、なぜ、なんのために枝分かれをしたかがわかると、それぞれの分野の特徴のようなものをつかみやすいだろう。
ちなみに、「心理学史」というのもひとつの学問ジャンル(心理学についての歴史学)なんで、突っ込み始めるとキリがない。なので、高校生は斜め読みを推奨なわけだ。
B)金城辰夫監修『図説現代心理学入門(三訂版)』(培風館)2100円
心理学史といってもこの本は、「始まりから現代までを均等に」ではなく、最近(19世紀半ば以降)の流れ、特に日本での事情を重視した本というところが特徴的。分野ごとに専門家が執筆。
ここで、ちょっとした紹介と、各章のオマケ的な話がワードのファイルで提供されている。
目次を見る限り、これまで紹介している本よりも、もうちょっと本格的っぽい。
専修大学の先生たちを中心に作られている。
C)下山晴彦『心理学論の新しいかたち(心理学の新しいかたち 1)』(誠信書房)3,360円
「心理学の新しいかたち」というシリーズの1冊。この巻では、心理学にどんな分野があって、それぞれどんなことをやっているかを知るための本。最先端の事情もカバーしている。たぶん、この中では最も本格的で詳しい。
D)中央ゼミナール編、伊藤順康監修『心理学を学びたい人のための大学・大学院の歩き方』(東京図書)2310円
これはまあ、おまけ。
大学院まで目指すなら、あるいは臨床心理士などを目指すなら、大学に入ってからこういうふうにしたらいいよ、というようなガイドブック。特に大学院への進学を中心とした対策本ですね。うまいこと大学に入学できたら読んでみるといいと思う。