2008年08月29日

死海文書、解読後はオンライン公開へ

ハイテク技術で「死海文書」文字判読へ、将来はネットで一般公開も(AFP通信 08月28日)



「死海文書」が、NASAの技術を応用して解読を進めることになり、その後はオンラインで公開されるとのお話。なんだかわくわくドキドキしますが、キリスト教関係の方は、どういう感慨をおもちになるのでしょう。と思ったらクリスチャン・トゥデイという媒体も報じていますね。

死海文書をデジタル化でネット公開へ イスラエル考古学庁が発表(クリスチャン・トゥデイ 2008年08月28日)

淡々としていて、「どういう感慨があるのか」は伺い知れません。


確か、つい最近もなんか報じられたんじゃなかったっけ、と探したら、GIGAZINEだった模様。

聖書の謎を解き明かす鍵、2000年以上前に書かれた「死海文書」が公開される(GIGAZINE 2008年05月15日)

死海文書に関するホームページ(β版)ってのも発見。リンク集もある。

ネットでは、どーしてもエヴァンゲリオンがついて回るのね(^^;;

こういうものの研究は、宗教学になるんでしょうか。考古学? 宗教考古学? 大学に「古文書研究会」っていうのがあったなあ。いずれにしても、学問になると「事実に基づいて考える」のが基本なわけですよね。どういう学問ジャンルでも。そのためにも「事実を明らかにする」ことが重要なわけで、事実だけ問題にしているわけじゃなくて、その先にもつながってる。
学問ではなくても、かなうかぎり事実に基づいて考えるのは基本で、それを疑う現代人は少ないよね、たぶん(ここで「事実って何」という話を持ち込むとややこしくなるけど)。


関連して思い出してしまったもの。

『東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)』の寛政原本ってもんが見つかった、それが刊行されるとかいう話が、去年から今年にかけてありまして(発見者がこしらえた偽書だということで、とっくに話がついたと思っていたのだが、承服できない人たちもいたのであった)。

まあ、あの、「どうしてこれを寛政原本だと思っちゃったの?」という話でしかないようなんですが。

「寛政原本」の正体―『東日流外三郡誌』擁護論の自爆―(原田 実 2007年4月25日。最新の追記は2008年6月20日)

ぼくは青森県で生まれ育ったし、「中央に虐げられた地方」とかいう固定観念も抜き難くあるし、古代史とか超古代史とかいう話も大好き(竹内文書とか神代文字とかオーパーツとか)なので、最初に知った学生時代は「ひゃっほう!」だったんですよね。『東日流外三郡誌』マンセーな感じ。もう、東北独立しかないね、ぐらいの。

だけどなぁ、その後だんだんといろんなことがわかってくるにつれて、こういう話はいただけないなぁ、と悲しいものがあるのでした。いや、こしらえちゃう人の気持ちもわかるんですけど、自分が望んでいる物語に合致する「物証」みたいなものが出てくると、どうしても目が曇るのかなあ、みたいな。

ところで、筆跡鑑定って、ものすごく微妙なもんだと思っていたのですが、否定している人も肯定している人も「素人目にも明らか」って……そういうもんなんですか? 書き癖ってのはわかるし、「ああ、この字とこの字は、確かに同じような書き癖に見えるなあ」と思ったりもするんだけど、だけど……それでいいの? 
いやまあ発見の経緯から言っても、この寛政原本を筆跡鑑定にまで回す必要は感じないのです。だけどなあ……。もぞもぞします。
posted by 亀@渋研X at 15:57 | Comment(4) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 死海文書、解読後はオンライン公開へ
この記事へのコメント
竹内文書もNASAに見てもらわんと……
Posted by 六@渋研X at 2008年08月30日 02:26
いやぁ、いまさら竹内文書を見てもらってもなぁ……。読めない部分があるわけじゃなくて、原本も写本も大半が焼失/紛失してるんじゃなかったっけ。

えーと……うわ、違った。

>一説には、竹内文書は焼失しておらず、『NARA(アメリカ国立公文書記録管理局)』または『国立公文書館(旧内閣文庫)』に保管されているのではないかとも言われているが、真偽は不明である。
(Wikipedia 竹内文書)

NASAよりNARAみたい(^^;;
Posted by 亀@渋研X at 2008年08月30日 18:48
> NASAよりNARAみたい(^^;;

なるほど……では、キリストの墓を調査してDNA鑑定を。
Posted by 六@渋研X at 2008年08月31日 05:23
エヴァにおける「死海文書」の話って、結局「広げすぎてたためなくなった風呂敷の一部」、つまり設定は作ったのだけれど、物語内での決着をつけようがなくなった材料、に過ぎないと思っているのですが。
 ガンダムの「ミノフスキー粒子」のような、実際にはありえないものを材料にするなら混乱は生じないのですが、特定の宗教の歴史に絡むものを安易に設定に使った責任は、アニメを作った側に取ってもらいたいものです。

 あれ?「竹内文書」がNARAにあるとしたら、請求すれば公開してもらえるんじゃなかったですか?複写を取るとかも可能かと?

>では、キリストの墓を調査してDNA鑑定を。

 その前に「北朝鮮から返された遺骨」が「拉致被害者のものではない」と断定した研究方法の公開を求めないと。
 うかつにDNA鑑定とかさせると、「キリストは天照大神だった」なんて発表されたら困るし。
Posted by 憂鬱亭 at 2008年08月31日 13:22
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