それを知ってメールを書いた。まだ送ってはいないものの、ここにアップしておくことにした。
Subject: 学校の養護教諭が代替医療?ぼくは、この話を多分はてブで12日に知ったのだと思う。
日本医師会御中
沖縄県医師会御中
日本養護教諭教育学会事務局御中
初めてご連絡を差し上げます。
フリーランスライターの亀@渋研X(ほんとは本名)と申します。
医療従事者のみなさま、養護教諭のみなさまにおかれては、日夜、大変な思いで国民・地域・学校の健康を守っておいでと、常日頃から感謝申し上げております。
本日は、掲題の件につきまして、子どもの健康を取り巻く大変に困った事態と考え、お知らせ申し上げるべくこうしてメールを書いております。
適切なお知らせ先が別にございましたら、お手数ですが回送いただくか、ご教示いただければ幸いです。
■沖縄で養護教諭を対象に代替医療の講演会
「ホメオパシー」という代替医療をご存知でしょうか。同種療法などとも言われ、レメディと呼ばれる砂糖玉で病気が治ると主張するヨーロッパ発祥のものです。人によってはガンでも外傷でも治ると主張されることもあります。
疑似科学的な民間療法のひとつと言ってよいかと思います。およそ「効いた」といわれる例はプラセボ効果ならびにカウンセリング効果ででもあろうと言われております。
去る12月、「株式会社ホメオパシージャパン」という会社の代表者が、沖縄県で養護教諭の先生方を相手に講演したとの話が、同社のホームページで紹介(宣伝)されております。
・ホメオパシージャパン新着情報:12/21 JPHMA由井学長が沖縄養護教諭研究会にて講演
http://www.homoeopathy.co.jp/sinchyaku_new/index.cgi?index=1518
・ホメオパシーイベント体験談
http://www.homoeopathy.co.jp/event/ankeito_2007_12_21_okinawa.html
参加された先生方の声が紹介されております。記事からは大変に好意的に迎えられたように見受けられます(もっとも、宣伝でしょうから実態はわかりませんが)。
関連情報を、下記のホームページから入手できます。
・予防接種に反対する養護教諭たち(保健師のまとめブログ 2008年10月12日)
http://phn.ti-da.net/e2379985.html
・沖縄県の小中学校にニセ科学注意報発令中 −ホメオパシー汚染−(幻影随想 2008年10月13日)
http://blackshadow.seesaa.net/article/108016637.html
・養護教諭とホメオパシー(保健師のまとめブログ 2008年10月15日)
http://phn.ti-da.net/e2384241.html
■保健室や保健だよりから、子どもや家庭に代替医療が届く?
わたしは沖縄県民ではありませんが、我が家には中学生と高校生の娘がおります。また、地域市民として地元の学校評議員も務めておりますので、学校の大変な事情も、いろいろ存じ上げております。
ご存知のように、近年の学校保健室は、内服薬を出さなくなっています。また、児童生徒の心の健康についての仕事が増えております。世間では、一時ほどではありませんが、安易なスピリチュアルブームも続いているようです。
そうしたことから、このような代替医療にも魅かれるのでしょうか。
養護の先生方は、『保健だより』などで保護者や全校児童・生徒に健康に関する情報を提供しておいでです。しばしば『保健だより』を持ち帰り、先日もインフルエンザ予防に関する情報を読みました。ありがたいことだと思っております。
しかし、もしもそこにホメオパシーに基づく健康談話などが掲載されたら。あるいは、保健室で「これは医薬品ではないから」と砂糖玉を処方するようになったら、子どもたちや保護者はどう考え、どのような影響を受けるでしょうか。そう思うと、いても立ってもいられない気持ちで、メールを書き始めてしまいました。
かなうことならば、むしろこうした代替医療・民間療法を正しく認識させるための活動も「学校で健康を担う方々」には求められるのではないかとさえ思います。
■仮に一定の意義があるとしても、適正な扱いを
最近は「統合医療」や「ホリスティック医療」という概念もあるやに聞いております。ホメオパシーをはじめとする代替医療は、穏健なものもあり、全面的に否定されるべきものではないのかもしれません。一般論としては、心の安定を得るためにそうしたものを愛用する方々がおいでになっても構わないし、終末医療や疼痛緩和などでも有効な使途があるかもしれません。
しかし、代替医療に期待を寄せる方々のなかには、「一般の治療の忌避」「予防接種忌避」などに傾くケースもしばしばあることを耳にしております。かなり扱いを慎重にすべき事柄であろうかと思います。
直接、子どもたちや家庭、地域へ代替医療が影響を与えなくとも、「学校の養護教諭もホメオパシーに理解を示している」かのような宣伝をされていては、どこにどのような波及効果が及ぶかしれません。
本来であれば、当該の養護教諭の団体等へお知らせすべき筋かとも思われましたが、連絡先を見つけることができませんでした。
幸い、学校には「学校医」「校医」と呼ばれる存在があります。日本医師会におかれては、「日本医師会認定学校医制度」の実現に向けて取り組んでおられるとも聞いております。また、学会は必ずしも直接的な影響力を行使することはできないだろうとも思いますが、問題提起などは可能ではないでしょうか。
どうか、こうした事態を黙過されず、貴団体から学校や養護の先生方等へ働きかけていただき、学校や地域を代替医療の不適切な洗礼からお守りくださいますよう、伏してお願い申し上げます。
長々と失礼致しました。
ご高配を賜れれば幸甚に存じます。
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(以下、シグネイチャ)
はてなブックマーク - ホメオパシーイベント体験談
その後、dlitさんの「思索の海」での記事や、保健師さんのまとめブログ、黒影さんの記事なども読んだ。詳細は、そちらを読んで欲しい。
ぼくの感想を端的に書けば、ブコメにもしたように〈保健室の先生は「保健だより」とかで全校生徒にゲーム脳をばらまいたりする。内服薬の処方ができない現状、困った「応急手当」などもしそう。学校医と連絡して回避されるといいのだが。〉というもの。ほかにも「朝食『で』学力アップ」とかいうキャッチー過ぎてウソに近くなっちゃってるような話とかですね、まあその、過去にもいろいろあったし。いや、みなさん熱心なんですよ!? 熱心ゆえに、こういうこともあるわけで。
で、読んですぐ、神戸市の水伝のときに「みみずくからの伝言」のとらこさんがされたように、さくっとメールしたれ! と思ったのだが、うまい送り先が見当たらなかった。
頭に血が上ってたもので、んではとばかりに日本医師会、沖縄県医師会、日本養護教諭教育学会事務局に宛てて、メールを書き起こした。出すのは思いとどまりましたけど。医師会とかって、なんとなく養護の先生より「上」じゃない? 上から言われる感が強いと、ちゃんと中身を考えた議論にならなさそうじゃない?
が、日が経つにつれて、沖縄の件はおいといても、お医者さんとか養護教諭とかって、むしろ「代替医療にもいろんなものがあるからね。使い方や選び方を間違えると、おまじないも危ないよ」みたいなことをマナイタに載せるべきなんじゃないか、などと思い始めた(いや、そういうことを言ってくれるお医者さんもおいでです。お目にかかったことはないけど、NATROMさんとかそうですよね)。
バタバタしていて調べものもできないので、医師会とかはそういうことをかつてしたことがあったのかなかったのか、それさえわからないままだ。過去の経緯とか養護の先生の反発とかよりも、やっぱり動けるところが動くほうがいいんじゃないか、場所が場所だけに、なんてことも思う(学校に直結してるんですよ!?)。
もう、どうしたらいいかわからない(落ち着いて考えている余裕がない)ので、「こういうメールを送ろうとした人がいる」ということだけでも、運が良かったら(海を手紙入りのビンが流れていくように)沖縄とか医者とか保健室の先生とか保護者とか、そういう人が見ないとも限らない(いや、まあ、そんなこと滅多におきないだろうけどさ)と考えて、とりあえず自分でさらしておくことにした。
新規のエントリを書く余裕もないし、そういうわけでアップされるのが、このエントリなのです。ついでに、黒影さんや保健師さんのエントリへのリンクも追加。
あなた、お知り合いに沖縄の学校に通っているお子さん、保護者さん、沖縄の学校の先生、保健室の先生、お医者さん、関係ありそうな方を知りませんか? 知ってたら、よかったら耳打ちしてあげてくれませんか?
それにしても、よりにもよって、小学校や中学校の保健の先生にホメオパシーかあ……弱った(-_-)
追記:10/18 02:13
遅ればせながら、上記お三方のブログへTB送信。
日本学校保健会
http://www.hokenkai.or.jp/
日本学校保健学会
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jash/
全国養護教諭連絡協議会
http://yougo.jp/
(ただし、加盟団体一覧みたいなところに沖縄県は入っていない。残念)
沖縄県教職員組合
http://oki-tu.org/
「沖縄養護教諭研究会」って、そもそも正式名称でない疑いがある。そのために「関係があるかどうかわからない」という部分もある。沖縄県教組が出て来るのは、養護教諭部会もあるそうで、それなのかなあ、どうなのかなあと思っているからだ。
似たような名称では、こんなのが見つかる。
県養護教諭研究大会を開催(琉球新報 1996年9月30日)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-86275-storytopic-86.html
「研究会」じゃなくて「研究大会」であります。12年も前の記事だし。
同紙には、こんな記事もあって、そこには「沖縄県高校養護教諭研究会中部支部」なんてのが出てくる。
他機関とも連携を 那覇で九州地区健康教育大会(琉球新報 2005年8月12日)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-5364-storytopic-7.html
「県高校養護教諭研究会北部支部」ってのも出てくる。
高校生の喫煙経験者、3割超「小学生で」(琉球新報 2007年2月10日)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-21195-storytopic-7.html
だから「県高校養護教諭研究会」ってのがあるらしいことは、まあだいたい間違いないのかな。しかし、先の団体がこれだということではなかろう。
沖縄タイムスには、類似の名称は見つからない。
ううむ。
この沖縄のケースにそのままあてはめると、県教委ってことになりますが、これはちょっとうまくなさそうですね。
石田のときと違って、複数の小学校に伝わらなきゃならないし、そもそもの元締めがどこかわからなくて困ってるわけだし。
県教委を経由したのでは、「上から言われる感が強い」の問題も、ありそうだし。。。
私が神戸市にメールしたとき、ある方に入れ知恵されて神戸新聞にも同送しました。沖縄新報と琉球タイムスにたれこんで逆に問い合わせてみてもよいのではないでしょうか。紙面には出てなくてももしかしたら取材してたりするかもしれませんし。
それ、ぼくも考えました。実は、元のメールには沖縄タイムスのメールアドレスも入れ、Ccにしたバージョンもあったんです。で、琉球新報の投稿フォームにも同じものを投稿しようと考えていました。
で、その後なにが起きるかを考えたら、やっぱりやめてしまいました。
医師会や学会は、動かない可能性が高い。新聞記者の食指が動けば、養護教諭の団体や医師会、学会に取材するだけでなく、おそらく教育委員会にも取材するでしょう。そして、ひょっとすると記事になる?
これが行政のドジだったらどうする? と考えると、行政とメディアの両方に送っちゃったと思うんですが、今回、自分でもどうして思いとどまっちゃったのか、いまひとつわかってません。確かにバッシングに発展することは避けたいという気持ちはあるんですが……。
いやまあ、ぼくがこう考えたからと言って、メディアにお知らせしようとする人を止めたいとまでは考えていません。ということは、ただ勇気がないだけなのかもしれません。
メディアに問い合わせるかあ……それは発想になかったです。ううむ。考えてみます。
が、なんか微妙なので、新エントリにしました。
「全養サ」と機関誌『保健室』
http://shibuken.seesaa.net/article/108255094.html
>これが行政のドジだったらどうする? と考えると、
うかつだったけど、行政のドジという側面もあるんですねえ。
>・養護教諭とホメオパシー(保健師のまとめブログ 2008年10月15日)
>http://phn.ti-da.net/e2384241.html
によると、DVD上映会は県と共催なんだもんなあ。
県の窓口はわからないし、適当な団体の窓口も見つからない。やっぱりメディアしかないですかね……。
○沖縄養護教諭研究会について
養護教諭(臨時)の経験がある知り合いに聞いてみると、ほとんどの養護教諭が参加しているような規模の団体だそうです。
自分がいたころ(数年前)は、「フッ素の害は話題になっていたけど、予防接種については特になかったよ」とのこと。
○行政機関について
共催したのは、県教育委員会体育保健課ですが、県が主催するのは「養護教諭研修会」であり、「養護教諭研究会」は研究会からの依頼による共催という形だそうです。
また、「予防接種反対という偏った考えで講演会を開くのは好ましくない。県は、文科省の指導に基づき予防接種の勧奨を行っている」とのことでした。
先ほど新エントリーを上げた(http://shibuken.seesaa.net/article/108302110.html )のですが、そちらでもパンさんの某ブログでのコメントを引用させていただきました。NATROMさんのブログでもコメントをお見かけしました。あちこち足を伸ばしての活動、お疲れさまです。
これからときどき、ブログをのぞかせていただきます。
そうか、行政としては「予防接種の勧奨」で義務を果たしているという考え方もありそうですね。はっきり「予防接種忌避の講演会」ならともかく、変なことにつながりそうなビミョーなものにハマることの予防までは仕事じゃない(ていうか、そこまでしてられない)。
うーん。
地道に知らせて行くしかないのだとすると、やっぱり養護教諭学会あたりにお知らせするのがよいのだろうか……。わ、わからん……。
保健室の先生にまでホメオパシーが広がっていることは知らなかったし、沖縄県のことだけでもなさそうなので、少なくとも話題にはし続けます。