で、「片付ける」というのは、つまり「ホームポジションに戻す」「初期設定に戻す」ということなのではあるまいか、などというムダかもしれないことを時々考える。
有用な道具(ていうか、誰かが使う可能性のあるもの)の置き場は、まあ、およそであれ決まっている。使った後はそこに戻す、ということね。
ホームポジションのない新参者は、ホームポジションを作る。
ゴミやらホコリやらのホームポジションはゴミ箱なりなんなりで、「ここにはなにもないのが初期状態」という場所もあるわけで、そういう意味でもホームポジションやら初期状態に戻すのが「片付ける」なのだなあ、なんて考えていた。
◆
「散らかる」「片付かない」という状態の原因には、「新参者のホームポジションを作る余地がない」なんてこともある。ということは、スペックを超えているからナニかを処分するとか、仕様変更(キャパシティを増やすためのなにか)が必要とか、そういうことにもなる。これはまあ、コストパフォーマンスつうか投資対効果の兼ね合いで考えるしかないわけだ。人力でも金でも。
で、コストパフォーマンス低いなあ、となると放置されたりするのだろうか。そうなのか? ただのズボラも、理屈がつく?
◆
子どもの頃から割り切るのがヘタだった。だもんで、一生懸命に割り切ろうとする。
机の上を片付けるためには、引き出しのなかや棚を整理しないといけない。引き出しの使用ルールを考える(ホームポジションづくりというか、「初期設定を考える」わけですね)。なかに細かく仕切りを入れて、用途を厳密に考えたりすると、「どこにも入らないもの」が出て来る。
「えいや」と分類してしまえばいいのだが、それができない。悩む。新しい区切りを作るか。どういう意図の区切りにするか。分類のロジックが見つからない。「えいや」と分類してしまえば(ry
考えても決められないので、思考停止・処理停止をシステムの一部に採用する。「とりあえず入れておく場所」を作る。これは画期的な発明だと小躍りするも、簡単にあふれる。
じゃあ後になっても治まりどころが見つからないものが出て来たら、それは捨てるのだ、とか考える。これも画期的な処理システムだと思ったのだが、そうは問屋が卸さない。もったいないとか、なんか好きとかで捨てられない。
場当たり的で感心しないが、「とりあえず入れておく場所」を大きくする。それでもあふれる。だんだん部屋中が「とりあえず」になっていき、出っぱなしのものが、あちこちに散乱する。
「とりあえず」を採用し過ぎた処理システムでは、片付くわけがないのだ。
◆
「仕事を片付ける」というのは、どういうことなのだろう、と仕事に追われながらぼんやり思う。「仕事がない」というのがホームポジション? ええええ? 「ある」のがホームポジションだよな。じゃ、一定量に保つのが「片付ける」なのか。わからん。
◆
「邪魔者を片付ける」はどうだ。バキューン、ガガガガ、ドッカ〜ン、すべらど、ざぼ、などの類いか。そうとも言えないか。
「邪魔者はいないのがデフォルト」って、なんかおかしくないか。これは、むしろ「最適化」とかいうものか。
初期状態が最適? まあなあ、最初から邪魔者を入れてあるシステムなんて、ないよなあ。バグか? バグなのか? 邪魔者をバグ扱いって、それはヒドくないか。
◆
「片付ける」は「整理する」と同義だろうか。やっぱり「最適化」なのだろうか。
多少散らかっているのが居心地がいい、というのは最適化だ。きっと。
「考えを整理する」もそうなんだろうか。
そういえば「整理屋」っていたなあ。会社の整理屋ってのはサルベージとかいうんだっけ。宝探しとか、どぶさらえとか、どっちなんだ。
「思考のサルベージ」なんて、ぼんやりと思う。
◆
ここに新米と去年のお米=古米がある。
カアチャンがたったいま「お父さん、新米から食べようか?」と言い出した。これまで古米から食べていたのだ。すると、新米に手がつくのは、いつも新米が古米になってからだ。アホかもしれん。
「古米から片付けよう」なのか、「新米がおいしいうちに食べよう」なのか。次のお米はいつ来るのか(いつも不明)とか、いまの残量にもよるよな。でもまあ、新しいのから食べていると、古いのはいつまでも手がつかないという事態も、容易に考えられる。それはそれで、あかんのでないか。
両方食べるのがよいのではないか。白飯では新米を、混ぜご飯や炒飯では古米を、とか考える。
米びつに、両方出しておくことはできない。米びつを二つにする? だいたい、炒飯は残った冷や飯で作るではないか。
めんどくさくなる。
ところで、この問題は「初期設定」でもなんでもないか。いや「古米がない」が初期値、いやいや「古米がある」が初期値……???
◆
ニセ科学とかオカルトとか不合理とかって、ぼくにとっては「片付かない出っぱなしのもの」なのか。「しまいどころがない」のか。
いやあ、違うなあ。「実用性はないんだが、ときどき出して来て、密かに楽しむもの」なんだよなあ。
だもんで、実用品として正面切って持ち出されると、かなり困ります。
◆
こういうことをしていると、仕事も部屋も、なんにも片付かない。それはわかる(-_-)
僕も片付けが苦手で、割り切りが下手で、なかなかモノを捨てられません。
共感を持って読ませていただきました。
などと書いていたら、あ〜、明日は新聞・雑誌・ダンボールを出す日だったことを思い出しました。
ちょっとは片付けようかしらん。