2009年01月25日

不安なときは#7119に電話を:空気を読みすぎる読者たち

さっきびっくりして書いたmixi日記をこっちにも転載。事実誤認等があったら乞うご指摘。

[mixi]不安なときは#7119に電話を:空気を読みすぎる読者たち(2009年01月25日12:11)
■心筋梗塞の疑い 迷わず119番を
http://mainichi.jp/select/science/news/20090124dde041040008000c.html

ニュース日記に「判断がつかない」とか「そんなこと言って、ホントは空振りだったら叩くんだろう」とかいう人がけっこういる。

■このニュースに関する日記一覧(106件)
http://news.mixi.jp/list_quote_diary.pl?id=730119

いざというとき、もしも判断に迷うようなら「#7119」へ電話して相談しよう。下記は東京消防庁のページだけど、全国で同じ番号のはずだ。

■迷ったら救急相談センター「#7119」
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/kyuu-adv/soudan-center.htm

小児についての番号もある。これも全国で同じはず。

■小児救急電話相談「#8000」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html


冒頭の記事は、記事末尾にもあるように〈一般への調査では、心筋梗塞の恐れがある「上半身の強い不快感」を感じた場合に、「すぐ119番する」人は平日の日中で12%、休日・夜間でも28%だった。〉という調査結果が出たばかりだから書かれたもののはずだ。空気を読みすぎなくていい。

医者や他者を、そんなに恐れてハリネズミみたいにならなくていい。あなたは、たぶん普通の判断をしている。誰も無闇に高度な判断を求めているわけではない。

「非常識なやつがいる」という話を我が身に照らして考えてみるのは立派な心がけだ。その話が気になるならば、多くの場合、その話は多分あなたに向かうものではない。その話が「考えること」を求めているのは、おそらくその話を気にも留めない人たちだ(空しいけれど)。

あなたが気になるのならば、多くの場合はちゃんと「他山の石」としてその話を教訓化できるだろう。

たまには間違う。それはそれで仕方ない。それが取り返しのつかないことではないといいね。なに、多くの場合は頭を下げたりすれば済むさ。済まないこともあるけれど。


たとえばコンビニ受診については、死にそうな激務で知られる小児科医や産科医などでさえ一定の理解を示している例は多い。「最初のお子さんの場合など、身近に相談できる人もいなくて不安になるのはわかるし、しかたがない面はある」といった談話を見たことがないだろうか。

多くの場合は「かかりつけの医師に電話を一本して相談したり、病院のホームページなどの〈よくある質問〉ページを参照するだけで無駄足を踏むことは避けられる」というアドバイス付きだ。これは裏返せば「命に関わることで素人判断は禁物」ということでもある。

なかには無茶を言う阿呆な医者だっているだろうけれど、多くの医者は鬼でも守銭奴でもキチガイでもない(医療不信によって絶望の淵に追いやられつつある医師は増えているかもしれないけれど)。マスコミの連中だって、考えは浅いかもしれないけど、鬼でも蛇でもない。そんなに怖がらなくていいよ。

あのニュース日記たちは、噂に聞く「釣り」「ネタ」なのだろうか。

彼らの多くは、別に救急車をタクシー代わりにしたいとか、コンビニ受診しちゃったとかいう人ではないようだ。そういう行動を責められたことがあるわけでもなさそうだ。それでも本当に「コンビニ受診」や「救急車タクシー」の話と、今回の記事にあるような医師のアドバイスに矛盾を感じるのだろうか。

ひょっとすると、彼らは常に「間違わないこと」を要求され続け、同調圧力にさらされ続けて、「空気を読む(言葉にされていない「裏の意図」を察する)ことをしないではいられなくなってしまったのだろうか。

それならば「考え方」や「判断」についての、どのようなアドバイスも有用な情報も、彼らの不安といら立ちを増やすだけかもしれない。「そのままでいいんだよ」「いまのままでいいんだよ」と現状を肯定し、受容する言葉しか届かないかもしれない。そう思ったものの、なんかないかと考えて、上記の文章を書いてみた。届かないかもしれないけれど。

しかし、それって「自分が存在すること」についての根源的不安と過剰ストレス? 肥大した自尊感情? ある種の不安神経症や被害妄想に近いのかもしれない。


よく迷惑がられている「救急車をタクシー代わり」とか「コンビニ受診」というのは、この記事に出てくるような話とはだいぶ様子が違う。あからさまに不要なのに利用する例のことだ。単にタクシーを呼ぶのが面倒だからということで、けっこう元気なのに救急車を使うとか、昼間に通院するのが大変だからという理由で夜間診療を利用するというような話。素人では判断に困るようなボーダーな領域の話ではない。

一方、この記事が言っているのは「胸の圧迫感など、心筋梗塞が疑われる場合は、空振りに終わっても、ぜひ救急車を」という話。心臓とか大事な臓器の問題かもしれない、と思ったら大急ぎで医者に来れば助かる可能性が高いよということ。自分が救急車をタクシー代わりにしていないか、コンビニ受診をしてないかを、ちゃんと判断しなさいという記事でさえない。

ほんとに、世界からそんなに敵意ばかりを読み取っていては、心の休まる時がないことだろう。だからバラエティ番組やお笑い番組ばかりを見たくなるのかもしれない。


「コンビニ受診やら救急車をタクシー代わりにするのはまずいよね」という話は、別にギリギリ一歩手前を判断しろ、なんていう話じゃない。たとえば命に関わるような病気かもしれないと思ったときや、激しい痛みに耐えられないようなときは、救急車を利用したり、夜間の場合は緊急外来を利用しましょうね、そうじゃないときは利用を控えないと、いざってときに機能麻痺してて使えなくなるよ……というような話で。「あなたの利用方法は間違ってる」なんて話じゃない。

素人考えではあるけれど、ちょっと救急車利用のぼくなりの見極めについて書いてみる。ちなみに、救急車を呼んだことは1回(オフクロが牡蠣に当たったと思ったとき)、呼ぼうとして電話で話したのに結局やめたこと1回(カアチャンが腹痛で脂汗だった時。医者に行こうというのに固辞するから救急に電話した。自力で医者に行くというので、途中でやめた。結果、移動性盲腸炎だった。アホかい!)、迷ったけど呼ばなかったこと2回(食中毒の兄貴を自転車の後ろに乗せて病院に連れて行った=わー、交通違反だ=のと、自分が尿道結石もどきのときにタクシーで夜間診療に行った)。む、子どもの病気でも迷ったことがあったかな? でも結局、夜間診療も救急車も使ってない。

救急車を呼ぶのは、一刻を争うかもしれないと思ったときや、自分では医者までたどり着けなくなる可能性があると判断したとき。自分のことでも家族のことでも、痛みの強さや、異常を感じた部位、意識の有無や、極端にぐったりしてるとか、思い当たることとか、そういう「当たり前にわかること」で判断する。だって、それ以上の判断は、もともと素人には無理だもの。当たり前だけど、それで「容易には気づけない病気」に気づくことも、気づけないこともある。しょうがない。人生になんぼかはバクチの要素はあるのだ。

上記のような特別な状態ではなかったら……

・タクシーなどで病院まで行けそうならば、救急車を呼ぶ必要はない。
(自分で運転はしない方がいいと思うよ。今は運転できそうでも5分後は?)

・少々つらくても翌朝まで我慢できそうなら、夜間診療に行く必要はない。
(急変したら=後から上記のような状態になったら、何時でも救急車!)

・よくわからなかったら、前述の「#7119」や病院に電話して相談を。

そういえば「救急車が来た時にはかなり平気になってる」なんてこともよくあるらしい。

そのときは、その旨を救急隊員に告げよう。救急隊員がそれでも搬送すると判断するか、では後ほどかかりつけの医者に行ってくださいということになるのか、それはケースバイケースだろう。どうするかをあなたが決めるのは、救急隊員が判断できないときだけでいい(医事法のからみっていうか、たとえば危険があると考えて搬送する決断はできるだろうけど、無線で医師の判断をあおげなかったら「搬送は不要、後でおいで」とは言えなくて困るんじゃないかな)。少なくとも、恥ずかしがって必要もないのに救急車で搬送されるのも、勝手に治ったと判断して救急車を返してしまうのも、どちらも得策ではない。

実はねえ、うちのオフクロはねえ、恥ずかしくて黙って搬送されちゃった人でした(爆)
もう20年以上前だけどさ。一緒に同乗して病院まで行って。でも、入院もなし。診察後はすぐに「歩いてお帰り」になって、道々「実はね」って聞かされて、アホかっちゅうねん! とは思った。ま、「だいぶ楽になった」と言っても搬送されたことでありましょう。ゲロゲロで脂汗を垂らしてうんうんうなってたんで救急車を呼んだんだけど、きっと悪いものはみんな出たのね。
それも人生じゃ(^◇^;)


冒頭の毎日新聞の記事は、下記の経緯があったために出てきているんじゃないかと踏んでいる。

心筋梗塞「救急車呼ぶ」日中1割 夜は3割、厚労省調査(47NEWS 2009/01/19)

救急隊:似た名前の団地、間違えた 8分遅れ到着、80代女性死亡−−横浜(毎日新聞 2009年1月20日)

メディアの配慮が足りないんだか、読者がよじれちゃってるんだかわからない。でも、冒頭の記事から悪意ばかりを読み取るような読み方しかできないのだとすると、本当に不幸だ。
posted by 亀@渋研X at 12:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 不安なときは#7119に電話を:空気を読みすぎる読者たち
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