17:38追記:豚インフルについての簡潔でわかりやすい解説がありました。
共有資料 ブタインフルエンザの一般向け説明書(感染症診療の原則 2009-04-26)
17:50 末尾にも追記。
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豚インフル、条件付きフェーズ4へ(2009年04月28日11:02)
日本時間の昨夜半、WHOが豚インフルエンザの警戒水準を、従来の「フェーズ3」から、条件付きながら「フェーズ4」へ引き上げたようです。条件付きなのは、今回のウイルスが懸念されていたものより危険度が低そうなのに、ひとりメキシコでだけは危険な状況だから、でしょう。
WHOの豚インフルのページはこちら。
■Swine influenza(WHO)
http://www.who.int/csr/disease/swineflu/en/index.html
今朝発表の宣言。
■Statement by WHO Director-General, Dr Margaret Chan
27 April 2009
http://www.who.int/mediacentre/news/statements/2009/h1n1_20090427/en/index.html
機械翻訳
http://www.excite-webtl.jp/world/english/web/?wb_url=http%3A%2F%2Fwww.who.int%2Fmediacentre%2Fnews%2Fstatements%2F2009%2Fh1n1_20090427%2Fen%2Findex.html&wb_lp=ENJA&wb_dis=2&wb_submit=+%96%7C+%96%F3+
「条件付き」の内容は、「感染国への渡航制限が含まれない」ってことらしいです。ふつうのフェーズ4だと感染発生国の国境は封鎖され、感染発生国への渡航も禁止されるんだけど、それを「制限はしないけど、よく考えてね(つまりさ、遊びならやめといたほうがいいかもね)」と呼びかける程度に抑えた、ってことらしい。
無視はできないけど、いまのところはそんなに危険視してない、って感じでしょうか。
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厚労省も、「海外での新型インフルエンザの発生」を宣言しました。
■厚労省;新型インフルエンザ対策関連情報
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html
フジテレビでは、海外から(感染発生国から?)の便の受け入れを、空港は4カ所、港は3カ所に制限するとともに、検疫の強化を発表したとも言ってました。これによってウイルスの上陸を水際で阻止するわけですね。
あと、「ふつうのフェーズ4だと含まれるはずなのに、今回は見送られる対処」として、渡航制限以外に「人がたくさん集まるイベントの中止」や「公共交通機関の停止」「学校の休校」なども挙げていたんですが、たぶん、これはWHOの基準じゃなくて、日本政府の行動計画のことを言ってるんだと思います。
■新型インフルエンザ対策行動計画(厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/13.html
概要を見ると現状は「海外発生期」の対処と合致していて、テレビが「やらない対処」と言ってるのは「国内発生期」の対処です。当たり前だけど、国内ではまだ感染が確認されていない段階と、国内でも感染者が発見された段階では対応が違うわけで、なにを言っておるのか、な感じもあり。
◆
■豚肉は食べても平気なの?
ウイルスは75度で死ぬので、仮に感染した豚の肉でも、煮たり焼いたり加熱して食ってる分には平気。うちの昨夜のメニューはポークピカタ。
■ブタインフルエンザ:国立感染症研究所
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/index.html
> ブタインフルエンザはどのようにしてひろがりますか?
> ブタインフルエンザA(H1N1)のひろがりは、季節性のインフルエンザと
> 同様に発生すると考えられています。インフルエンザウイルスは、インフル
> エンザに感染したヒトの咳またはくしゃみでヒトからヒトへ主にひろがりま
> す。インフルエンザウイルスの付着した物に触って、その手で口や鼻を触る
> ことによってヒトが感染することもあるでしょう。
生肉を触った後は手を洗おうね! って、言われんでも誰でも洗うわい(^^)
◆
予想されていた「H5N1」(鳥インフル)の亜種じゃなくて「H1N1」(ソ連型、Aソ連型)の亜種なので、ある程度は耐性をもっている人も多いはず。それなのに、なんでメキシコでは大人にあんなに被害が出てるのか、他国とあんなに被害が違うのか(先進諸国では死者が出ていない)、専門家もいろいろ議論しているようです。
さっきアップされたきくまこ日記で、簡単に触れられています。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1150944700&owner_id=43026
> メキシコの特殊事情のせい(インフルエンザ以外の肺炎がカウントされている。実は感染者はもっと膨大にいる。メキシコ人はH1N1に対する免疫が特に弱い・・・などなど)で、実はそれほど危険の高いウィルスではないのかもしれません。
国による被害の差について「メキシコの国民の多くは、他の国に比べて貧しい」「医療機関が乏しい」とか、そういう可能性を指摘する声も、よそで見ました。ぶっちゃけてしまえば、「メキシコではろくに医者にかかれてないから被害が拡大しているだけではないか」「危惧されているほど致死性が高くないんじゃないか」って意見ですね。
実際、今回の豚インフルにはタミフルもリレンザも効いてる。ただ、どっちも感染してすぐに使わないと意味がない。ってことは、「メキシコでは、豚インフルにかかってもすぐに医者に行ったりせず、重症化してから医者に行ってる」ってことです。メキシコ政府の発表が半月以上も遅かったし、日本以外では風邪やインフルエンザで医者に行く人はかなり少ないと言われているので、貧乏が原因と言い切ることもできませんけど。
また、メキシコでは感染者数の増加は、時間とともに_過去に遡って_(ここ大事)増えているそうです。新たな感染者が増えている例ばかりではなく、「あの患者も、豚インフルだったことがわかった」なわけです。また、地続きの隣国へ広がっていないことから「感染力はそんなに強くない」と解釈できます。
ぼくには上記の真偽はわからんのだけど、病院の数や経済状態は調べればわかるよね。それじゃ判断材料としては足りないかな? それとも、スペイン語でしか公表されてなかったりするのかしら。
◆
前にも紹介したことがあると思うけど、ここ、勉強になります。
■科学ニュースアラカルト
http://www.mypress.jp/v2_writers/beep/
◆
いま、ぼくらのできることは?
うーん……別にないかな。ニュースに気をつけてること、ぐらいかも。
あ。科学ニュースアラカルトを見ると、感染発生国に遊びに行くのはやめとくほうがよさそう。すでに行ってる人は、とっとと帰ってくる。早く帰って来ないと、日が経ったら帰国したとたんに隔離されちゃう事態になってるかもしれないから(^^;;
17:50追記。
冒頭でも紹介したブログで、感染者が発生したニューヨークの保健当局によるプレスリリースの内容が紹介されていました。なかに、どのように行動すべきかが書かれていたので、その部分を紹介します(訂正線での修正はぼくによるものです)。
共有資料2 ニューヨーク市 Public Health当局のプレス発表の中身(感染症診療の原則 2009-04-27)ニューヨーカーのみなさん、呼吸困難のような重い症状がある場合は最後の一行を除けば、ふつうのインフルエンザの話と変わらないですよね。基本的な対策を怠らないことが最も重要なのかな、と思いました。い慮医療機関を受診してください。僧そうでない場合は自宅でケアを受けることを推奨します。
インフルエンザ感染の危険を小さくするためのもっとも有効な方法は症状がある場合には自宅にいることです。
すべてのニューヨーカーの皆さんは、咳をするときは必ず口を覆ってください。
その他にできる予防策:
まめに石鹸で手をあらう。特に咳をしたりくしゃみや鼻水がある場合です。
アルコールベースの手指衛生剤も有効です。
病気のヒトとの近い距離での接触を避けましょう。T
自分が体調が悪くなった場合は、仕事や学校に行かないようにし、他のヒトへの感染を避けるように接触を制限しましょう。
ブタインフルエンザは豚肉や豚肉製品を食べても感染しません。