2006年02月21日

『フォーブス』ニセ科学シンポジウム記事でチョンボ

ぎょうせいフォーブス』に、ニセ科学シンポジウムに関する記事が出たそうです。が、なんと取材先に確認をとらずに刊行しちまったもんで、特に見出しで大間違いをしでかしているという話。

kikulog■フォーブス(2006.2.21)
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/%7Ekikuchi/weblog/index.php?UID=1140509135

「フォーブス日本版」の記事について
http://www.gakushuin.ac.jp/%7E881791/events/JPSsymposium0306/forbes.html

ううむうう。
取材を受けた田崎さん、物理学会のみなさん、ごめんなさい。私は『フォーブス』誌とはなんの関係もありませんが、同じ出版界の隅っこでメシを食うものとして恥ずかしいです。悲しいです。

本来は個別の出版社/編集部/担当者の問題だとは思うのですが、どうも最近似たようなできごとが身の回りで頻発しているので、以下オフトピ気味ながらごそごそ書いておきます。

取材や執筆依頼に応じる際には「校正はいつ頃ですか。必ず見せて下さいね」と念押ししないとダメなご時世になってしまったと感じています。出版社でも雑誌でも放送局でも、有名だからといって信じちゃいけないとは昔から思っていたのですが、最近、はなはだしいと感じています。
 
先入観でうっかりってのは、自分でもしでかしたことがあるし、誰でもいつでもやりそうな危険性がある。意識しているいないに関わらず、編集と称して内容を予見に基づいてねじ曲げるのは昔からマスメディアの十八番でもあって、本当に気を許せません。個人的には、見せられた校正と刊行されたものが大幅に違っていた経験さえあります(その意味では、校正を見たから安心とは言い切れませんが、そこまで疑ってしまうとなにもできなくなってしまいます)。
 
「と」な記事を素通ししてしまう媒体が増えているとも感じているので、媒体が社会に与える影響に鈍感な編集者が増えているのだろうとも思います。しかし、いちいち担当者の人となりを見極めることも困難ですから、自衛のためには冒頭に書いたように念押しをするしかないのだろうと結論した次第です。新聞など場合によっては「校正は出しません」と言われることもあるそうですが、出版社で念押しされて出さないケースはさすがに少ないだろうと思います。

実は私も先般、ずっと連載をしていた某専門誌の特集記事に執筆した際、校正なしで校了されてしまいました。幸い大きな問題点はなかったのですが、再三「校正はどうなってる」「もう校了時期じゃないか」「出張校正に行こうか」と声をかけていてコレだったので、かなり呆れました。連載では一度もそんなことはなかったのですが、周囲に聞くと「あの雑誌は前からそうだ」という人もおり、担当者によって全然違ったのだということも思い知らされました。マイナーでも専門誌ってそういうところはきちんとしているもんだと思っていたのですが。

メディアに携わる身でこんなことを言うのは、本当に悲しいのですが「メディアを信じちゃいけない」んです……とほほ。
posted by 亀@渋研X at 23:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 『フォーブス』ニセ科学シンポジウム記事でチョンボ
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