だからというわけでもないけれど、脊髄反射のような一文を書いてしまうことにする。
ある編集者の気になるノート:いま売れている本に共通するテーマは、「か・け・い」かもしれない。(2007-04-30)
http://aruhenshu.exblog.jp/5972626
「感動」「健康」「癒し」の頭文字「か・け・い」がイマドキの売れる条件かもしれない、という話。詳細はリンク先をお読みいただくとして、「ある編集者」氏は、「癒し」に「スピリチュアルもの」を挙げている。ぼくは「感動」には、「言って欲しかったことが書いてある」なんてものも含めたくなる。
もしもそうした観測が正しいとすると、健康本のなかには上記の3つの要素を満たしているものが多そうだ。
逆のことも考える。
ニセ科学ビリーバーではなく、それに近いところに行ってしまいそうなところにいる人たちに届く言説というのは、どんなもんか、っていう話題がある。例えば「脅し型」の言説がニセ科学側に多いので、そういうのもありなんじゃないか、いや、やっぱりマズイか、とかいう話がある。
そういう話と同様に、上記の「か・け・い」が使えてしまうのだろうか。
というか、そんな装いを持たないと、彼らのもとにたどり着くことは難しいのだろうか。
タグ:スピリチュアル
お書きの「か・け・い」については、確かにいま求められている(人口に膾炙しやすい)テーマかもしれません。でも、多分キーポイントはそこにはなくて。
キーになるのは、これらを「ほぼ何も努力することなく、考えることなく」供給するものが求められていること、だと思います。
この3つ、当然ながらテーマとしてはまったく新しくなくて。でも、それを「あなたは何も考えず、なにも頑張らず、そのままこの本を読むだけ(あるいは映画館に座るだけ)」と云う装いで供給する、と云うのが、ヒットの骨子のように思えるんです。本のかたちをとっていても、文字数が少なくて、漢字もあんまり使ってなくて、綺麗な氷の写真が満載とか(^^;。
同じ戦術をとるのがちょっと難しいなぁ、と考えるのが、論点のひとつに「自分で考え、選ぶことの重要性」があるからです。テーマが「か・け・い」でも、この要素があるとヒットし辛いのではないかなぁ。
おっしゃるように本や考え方をヒットさせるには、これだけでは難しいだろうと思います。言って欲しいことだけを言ってあげるわけにはいかないし。
でも、例えばエントリのタイトルを「か・け・い」っぽいことばにすることで、検索したときにヒットさせることぐらいはできるかな、なんてことは思ったり。
もっとも、それでは中身までは読んでもらえないか……。