2007年05月13日

【生煮】沖縄・辺野古への海上自衛隊投入

耳を疑ったニュース。元ソースは日本テレビの9日の報道だけど、その後、見失ってしまった。

概略は、沖縄・辺野古で行なわれている米軍機建設のための環境調査に海上自衛隊が投入される可能性が出て来たという話。安倍首相の談話として、日米同盟の関係から、調査の遅れは許されないので、という理由が示されたとされていました。
このときはまだ「投入される可能性」だったのですが、じきに実際に艦艇が出港してしまいました。

遠くからものを言うようで気が引けるのですが、政治の世界では、なんだかねじれたような話の進み方は珍しくないと言えば、確かにそうなのですが、だからしかたないとか放っておいていいってもんでもないでしょう。地元の市役所などとのやり取りでも、同じような思いをすることは多々あります。こういう「ロジックのねじれ」「コミュニケーションのねじれ」も実はニセ科学と同様に、常に気になっていることのひとつでもあるので、このブログのトピックとして採り上げることにしました。

なんのために出動するのかを政府が明示する必要があるのは当然ですが、仮に法的根拠があったとしても、当事者にとって「治安出動まがい」であることは否定しようもないでしょう。
現地では基地建設反対運動が行なわれているため、で「なんのため?」という話題になります。当然ですが、こういう受け止め方になりました。

「辺野古の闘い」…市民運動阻止のため自衛隊投入!!?(dr.stoneflyの戯れ言 2007/05/10)
http://dr-stonefly.at.webry.info/200705/article_4.html
「自衛隊と闘わなければならなくなった」と電話がありました。
「なんのために?」ということに関しては、玉虫色の発言が繰り返されていること、沖縄県としては寝耳に水であることなどを沖縄の地元紙が報じています(琉球新報沖縄タイムス)。

海自動員可能性を示唆 辺野古事前調査で官房長官(琉球新報) (11日9時48分)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070511-00000004-ryu-oki

「辺野古」へ海自艦/防衛相 調査参加を示唆 - 沖縄タイムス (12日12時0分)
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705121300_01.html

全国紙には記事が出てないのかな? 今朝の朝日新聞には見当たらなかったようだけど。

Yahoo! ニュース 普天間基地移設問題
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/local/futenma/

出動の根拠については、第一報の直後からいろんな疑義が提示されています。

掃海母艦出動の根拠(綾瀬川的生活 2007/05/12)
http://ayasegawa.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_03aa.html

国家が国民に牙をむくとき(北海道独立義勇軍:Butch隊長ブログ 2007年05月11日)
http://blog.e-otegami.net/butch/archives/2007/05/post_222.html
辺野古への出動は、環境調査、つまりジュゴンやウミガメの調査のために、海自の潜水士を動員するというのだが、そんなことに自衛隊出動の実績を作っていいのだろうか、という疑問がある。というか、アベは自衛隊出動(警護出動)の実績を作りたいのではないか。
9条「改正」論者にとっても、自衛隊にとっても、「汚点」となる選択になりそうです。
posted by 亀@渋研X at 10:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 【生煮】沖縄・辺野古への海上自衛隊投入
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