2007年07月23日

ドリームガールズと霊能捜査官

さっき、家内が借りて来たDVDを見た。巻末に「ミディアム 〜霊能捜査官アリソン・デュボア〜」の第4話なんてもんが宣伝としてついていた。

目的の本編は「ドリームガールズ」。ちょっと散漫な気はしたけど、よかったっす。R&Bとか好きだし。
後半にさしかかるあたりまでは「これ、モータウン・レーベルがモデルになってる話?」なんて思っても、ラストが近づく頃には「ああ、個々のエピソードはともかく、全体としては完全にフィクションなんだろうな」と気づくんだけど、ストーリーのリアリティもそこそこあるんじゃないかな。
見た後で「アメリカンドリームの成就っていうだけじゃあ、もうリアリティ不足でお話として成立しないんだねえ、きっと」などとカアチャンと話して。
そしたら「ミディアム」が始まった。最後まで見ました。こういう不思議系のお話、そういえば、かつては大好きだったんだよなあと思いながら。

「空飛ぶスーパーヒーローが登場するTV番組の真似をして子どもが2階から飛び降りた」なんて類いの話が、昔からときどき新聞の紙面に出る。槍玉に挙がるのはTVだったりマンガだったりビデオだったり。真似の内容もさまざまだ。きっとぼくが物心がつく前には、小説も槍玉に挙がったのだろう。
子どもだからマンガやTVを現実と混同したのだ、だから内容を規制すべきだ、なんて話になると、子どもだったぼくは「そんなもんを本気で現実と混同するバカな子どもなんかいない」「マンガと現実の区別がつかないマンガ読みなんかいない」なんて思ったものだった。憧れることもあるだろう、興奮の極に達したときに、できそうな気がすることもあるだろ。しかし、それは本当に特殊なケースだ。一般論として心配するようなことではない。30余年前に今のような口がきけたら、そう説明しただろう。
そう、もう30年以上も前のことなんだなあ。

しかし、今は違う。
訓練の足りないオトナが信じてしまいかねないから、関係のない映画のおまけにこんなオカルトネタを入れないでほしい」と真剣に願う。映画のおまけにほかの映画を宣伝としていれるのはかまわない。ただ、オカルト系はアダルト系と同様に、別枠にしてくれ。とくに、大人向けの場合は

子ども時代にファンタジーやオカルトやSFを娯楽として楽しむ経験をもたなかった人たちは、おとなになってからそうしたものに出合うと、どうもほんとの話だと信じてしまうのではないか。もっともらしさを付け加えるための手管に、コロッとやられてしまうのではないか。
根拠というほどのものはない。ないのだけれど、そう危惧している。

フィクションをもっともらしく見せるためには「すべてをウソで固めてはダメ」というのは作劇の基本中の基本だ。「本当のこともちりばめながら、ウソも混入させる」というような作り方が、「もっともらしさ」を維持するコツだ、というような話だ。
「本当のことをちりばめる」という基本ができていればこそ「大きなウソ」も本当に見える、というものだとも言われている。「露見しないようにウソをつくためには、本当のことで包むべし」というような話も聞いたことがある。

オトナなら現実と非現実の区別がつくなんていうけれど、実は、フィクションに関心が浅くて、作劇やウソのつき方、詐欺の手法について考えたことのないオトナは、こういう手法にコロっとやられるのだ。
「元気をもらえました」「涙が止まりませんでした」なんて、平気で言うのだ。おそらくは、フィクションがどういう技術で作られているのかをわかっていないのだ。

子どもがうっかりだまされても、実は大きな危険はないのではないか。せいぜい、その個体が滅びるぐらいで。
だけど、おとながだまされると、どうなる? 家族持ちなら、その家族は? 会社役員や経営者なら、その会社の社員や取引先へも影響しないか? 物書きだったら? テレビタレントだったら? 教育者だったら?

自分で金を払って買う人のことまでは知らない。
願わくば、せめて「オトナの見るものに、無作為にオカルトネタやSFネタを混在させないでください
本気にする人が出たら、被害甚大なんです。お願いします。


posted by 亀@渋研X at 02:40 | Comment(0) | TrackBack(1) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - ドリームガールズと霊能捜査官
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Excerpt: PSJ渋谷研究所X: ドリームガールズと霊能捜査官子どもだったぼくは「そんなもん
Weblog: Interdisciplinary
Tracked: 2007-07-23 10:33
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