2007年08月27日

私にとってのニセ科学問題

「ニセ科学」とは言うものの、実はわたしにとって「ニセ科学問題」はぜんぜん自然科学の問題じゃない……ような気がする。
どっちかというと、「合理的思考ができるかできないか」という問題です。

これは、なにかを主張するときに、「それなりに合理的な根拠に基づく、議論に耐えうる主張」ができるか、それとも「個人の印象や限られた体験など一般化しづらい根拠に基づいた主張」しかできないか、さらに「その両者を見極められるか」という問題と言い換えることもできます。

自然科学においてもその区別は重要なものなので、これ幸いと「ニセ科学」をお題に雑誌記事にしたりあちこち情報を漁ったりしているわけですが、本筋のところは、上記のようなところが論点です。

自然科学関係じゃなくて、たとえば政治的な主張でも、教育に関することでも道徳的な主張でも、なんでも一緒です。「筋の通らない話」を見分けようとしつつ、なぜ「筋の通らない話」に引っかかる人が出てしまうのかを考えています。
タグ:ニセ科学論
posted by 亀@渋研X at 19:48 | Comment(14) | TrackBack(0) | そもそも | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 私にとってのニセ科学問題
この記事へのコメント
全く同感で、とてもすっきりさせて頂いたので、僭越ながらも思わずコメントしました。
私は小さい頃からヘンなヤツ・変わり者という扱いを受けてきました(という勝手な被害妄想を持ちつつ育ってきました(苦笑))。「なんでコレで喜ばないんだよ」とか「コレのどこが面白いの?」とかとか……。だから、なんていうのかな、「異なった価値観の共存」というのは、とても大きな関心事なんですよね。

「議論に耐えうる主張」ができるかどうかというのは、「異なった価値観の共存」にとって、何より重要な事だと思うのです。私にとって、価値観の内容が合理的かどうかよりも、異なった価値観と合理的に議論できるかどうかという事が特に重要です。

>さらに「その両者を見極められるか」という問題と言い換えることもできます。

見極められない人たちというのは、同じ価値観を持っていない人にとって、とてもつらいわけです。排他的にもなりやすい気がするし。
一方、見極められる人たちとは、「なるほど、あなたはこういう理由でそういう価値観を主張してるわけだ。私はこういう背景でこういう価値観を持っていて、あなたの価値観とは相容れないけど、どこをどう譲歩すれば、お互い気持ちよく過ごせるかな」とかいったwin-winな志向にも持って行きやすい気がするんですよね。
Posted by 田部勝也 at 2007年08月28日 23:32
>田部さん
「異なった価値観の共存」や「異なった価値観と合理的に議論できるか」は、私も重視しているつもりですが、ときどき弱音を吐いてしまいます。なんとか議論に持って行こうとするときなど、自分の心の狭さや弱さが出てしまって、実に難しいことだとも思わされることもしばしばです。対面しての会話の場合でもそうですが、たとえば「この人は怒らない人だ」と判断して安心して対話してくれる人もいる一方で、ナメてかかって一方的に自分の意見しか言わなくなる人もいますしねえ……。

そうそう、「僭越」とか大層なことを言わずに、お気軽におつき合いいただければ幸いです。
Posted by 亀@渋研X at 2007年08月29日 02:08
では、甘えさせてもらって……。

>亀@渋研Xさん「自分の心の狭さや弱さが出てしまって、実に難しいことだとも思わされることもしばしばです」
私はもっと酷いと思います(苦笑)。私の発言は全部感情論ですから。私個人としては、基本的にはそれでいいんだとさえ思っています。だって、にんげんだもの(笑)。
やっぱり、問題は、亀@渋研Xさんのおっしゃる通り、その感情が他者と関わる事になった際に、どれだけ合理的に振る舞えるか──なのでしょうね、政治判断でも道徳観でも。まぁ、それが難しいという事なのでしょうけど。

関係ないかも知れませんが、私の場合は、「人間の基本仕様」を知れば知るほど、なんだか寛容な気持ちというか、人間をいとおしく思う気持ちといった、それまでの自分には有り得なかったモノが生まれ始めてきている気がしています。特殊な例ですかね。
──そのわりには、平気で公然と他人の悪口を書いてるんで説得力ないんですけど(苦笑)。
Posted by 田部勝也 at 2007年08月29日 22:53
文科系の方が科学から批判するより意味があり効果的な「水伝」のようなニセ科学と 科学のフリをして近寄ってくるマイナスイオンやゲーム脳 みたいな ニセ科学が同じカテゴリーに入ってしまっていますが 後者は合理的な思考ができるか という問題だけではなさそうな気もしますね 。
ガリレオの時代に 天動説か地動説か 一般の人は合理的な思考だけでは理解できなさそうですし。

↓ぇ〜すけ君みたいに いかにも科学っぽくやられると 一般の人が「合理的な思考」だけでは理解できないように
http://www.minusionwater.com/magfloat.htm
Posted by audioslave at 2007年08月30日 14:14
audioslaveさん,
 ソノ例は文章表現の技術の段階で相当にぶっ壊れているので,「合理的な思考」で理解できないとしても,それは「科学っぽい」コトが原因ではなさそうな気がします。
Posted by apj at 2007年08月31日 02:53
>田部さん
見知らぬ人とのコミュニケーションだと、筋の通った話ができるかどうか以前に、感情的にならずに話ができるという条件がありそうですが、たまに(年に1回ぐらいかなあ、もっとかも)抑えられなくなってしまいます。いや、抑えたくなくなるという場合も(汗
合理的というと、世間では「ドライ」と同義というか、なにか「理に適った」という以外のマイナスイメージが付与されている場合がありますよね。というわけで、書いたり話したりするときはできるだけ「理を尽くす」だけじゃなくて、「情理を尽くす」という路線で行きたいと思っています。

>なんだか寛容な気持ちというか、人間をいとおしく思う気持ち
「ダメな子ほどかわいい」というヤツでしょうか(^^;;
Posted by 亀@渋研X at 2007年08月31日 14:31
>audioslaveさん
そもそもこのエントリは私の動機とか目的とか、そんなもんについて書いているだけなので実用向きではありません。すいません。

で、もちろん「合理的か否かでなんでも判断できる」かどうかなんていう話はしていませんし、それだけで判断できると考えてもいません。
ちなみに、自然科学やら法律やらの知識不足で「理に適っているかどうかわからない」ということは無数にあると思います。そして、判断できないものは、判断に必要な材料が手に入るまで保留にするのが合理的ですね。材料=知識の部分は調べることで補えるものが多いでしょう。
「内容もわからないし筋道も追えないけど、科学っぽく見えるから信用する」というのでは合理的に判断したとは言えないと考えていますので、やっぱりボクにとっても「ニセ科学」は問題になるわけです。
ついでにいえば、誰もが合理的な行動をとるものだ、合理的に考えるものだなどと考えているわけでもありません。
Posted by 亀@渋研X at 2007年08月31日 14:32
>apjさん
フォロー感謝です。

ぼくは水の特性や磁気については多分小学生ぐらいの知識しかありません。そのためかどうか、audioslaveさんと同様に、リンク先の文章が正しい情報かどうか、ふつうの人には簡単には判断できないと私も思います。
もっとも、ちょっと頑張って読んでみると、知識がなくても眉にツバをつけたくなるところは多々見つかりますね。audioslaveさんのコメントもあったことなので、ちょっと試みに「自然科学の知識と関係なく、判断のよすがとなりそうな部分」を時系列で列挙してみようかとも思ったのですが、あまりにもいっぱいあって長くなるので断念(^^;;
Posted by 亀@渋研X at 2007年08月31日 15:56
「断念」だけじゃあんまりなので、できるだけ簡潔に。

audioslaveさんご紹介の文章は、「自説」や「自分の観測したこと」と「一般に知られている確認された事実」「広く支持されている仮説」などの区別を、ほぼまったくつけていません。
いくつかの主張が含まれていますが、どの主張についても上述の状態で、しかも相互に矛盾するものもあります。だから話の筋道を追おうとすると、わけがわからなくなります。

文章が長いので読んで理解しようとするとかなり根気がいりますね。それでも「反論しようとしている」ということだけはすぐにわかる。

科学っぽさもそうだけど、やっかいな文章だと思います(^^;;
Posted by 亀@渋研X at 2007年08月31日 16:09
こんにちは、田部勝也さん。

>>なんだか寛容な気持ちというか、人間をいとおしく思う気持ち
>「ダメな子ほどかわいい」というヤツでしょうか(^^;;

 まさにそれが「通ってきた道」だからだろうと思いますよ。人間なんて情動的な動物の上に薄皮のような知性がかぶさっているだけの生き物なんだけど、その薄皮を必死になって張り広げて生きている面があるんです。そのことに気がつくと、なんとも「愛おしい」気になるものなんです。
Posted by 技術開発者 at 2007年09月02日 05:29
>亀@渋研Xさん「「ダメな子ほどかわいい」というヤツでしょうか(^^;;」

う〜ん。自分の場合は、「なぜだか分かった」という感じでしょうか。
それまでは、「なんで話が通じないのか分からない」「なんでそこで怒るのか分からない」「なんで嫌われるのか分からない」「なんだかとても理不尽な扱いを受けているのではないだろうか」というふうに、相手や社会を自分勝手に「敵認定」してしまって、厭世的になりかけたりもしたんですけど、「人間の基本仕様」の事を知るにつれ、「あぁ、こういう事だったのか」と腑に落ちるようになったという感じですね。
まぁ、意思疎通できないモノ、理解不能なモノ、得体の知れないモノを、「敵認定」して、憎悪し排斥するという傾向こそ、まさに「人間の基本仕様」なのかも知れませんが……。

ただ、なんで、「あの人は血液型が●型だから」とか「ゲーム脳だから」とか「オーラが……」とか「先祖や守護霊が……」とかいった説明には納得しなかったのかが、いまいち謎ではありますが(苦笑)。普通は、「あぁ、あの人はAB型だから変わり者なのはしょうがないよ」っていう説明のほうに納得するものなのでしょうけど……。
Posted by 田部勝也 at 2007年09月03日 23:36
おおおおお。

>う〜ん。自分の場合は、「なぜだか分かった」という感じでしょうか。

田部さんのコレ、ぼくが「腑に落ちた」と呼んでいる状態なんじゃないかな、と思いました。いや、きっと「人間の基本仕様」の話に出くわしたときにはもっと強烈で「目からウロコ」とか、そういう感じかもしれませんが。
自分でもなんでだかわからないんですが「そうなってしまう理由についてはこういう説明が可能だ」という話を読んだりしても、必ずしも「あ、そうだったのか」と思えると限らないんですよね。別に矛盾や説明不足や根拠不足があるなどということではなくて「釈然としない」「腑に落ちない」っていう感じ。

実のところ、ボクは「人間の基本仕様」について知ったからとて「人間ってかわいい」とは思えなかったわけですが、別に異を唱える気にもなれなければダメだと絶望もせず、なんか淡々と「ああ、そうだよなあ」としみじみしたというか。それなりに腑に落ちてはいるのです。ですけど、それまでの知見からなんとなく想像可能な範囲だったために驚きはしなかったっていうだけなのかしら(むかしSF読みだったせいとか???)。
いや、自分の気持ちがわかってないのですけど。

「敵認定」かあ、キビシイですねえ(汗
わたしは逆に、それがうまくできないのが悩みの種(ってほどでもないか)。

さっきから、見つけたばかりのこのブログをむさぼり読んでいます。

ゲルマニウムの効果
http://jukoudou.cocolog-nifty.com/

「視点・論点」の直後にはだいぶにぎわったブログらしいのですが(すでにその痕跡もないけど)、ぜんぜん知らなかったんですよね。
で、ずーっと読んでいて、このオジイサンが敵だとはボクには思えない……。

ああ、話がズレズレかも……
Posted by 亀@渋研X at 2007年09月04日 00:15
おっとっと。

>とかいった説明には納得しなかったのかが、いまいち謎ではありますが(苦笑)。

えーと、そうですか?(汗
ぼくもその辺の説明に納得したことがなかったんですけど……だって、たいがい穴だらけで(大汗
Posted by 亀@渋研X at 2007年09月04日 00:18
もちろん、私も、「人間の基本仕様」の話に出会ったときに、突然、雷にでも打たれたように目が見開かれた……というわけじゃなくて、小さい頃から徐々にそういったモノに気づいていったという感じなんですけどね。ただ、それまで漠然としたイメージでしかなかったモノに、相応しい名前が与えられた事に対する感動はありました。

>実のところ、ボクは「人間の基本仕様」について知ったからとて「人間ってかわいい」とは思えなかったわけですが、(後略)

まぁ、それまでが「敵認定」でしたからねぇ。「“何を言ったか”よりも“誰が言ったか”をより重視する」人間の基本仕様に、無自覚にどっぷりと浸かっていたわけで、「坊主憎けりゃ……」状態から、「あぁ、この人にはこういう良いところもあったんだ。この人はやっぱり気にくわないけど、この点に関しては良い事言ってるじゃん」というのが見えてきたという感じでしょうか。もちろん、先の技術開発者さんのご指摘も的を射たものだと思います。
要因はともあれ、お陰で、教員時代は、「人を褒めるのだけは上手い」と言われてました(笑)。

>「敵認定」かあ、キビシイですねえ(汗

そうですね。でも、中学〜高校生くらいまでの自分だったら、そのオジイサンも「敵認定」しちゃってたかも知れません。ぶっちゃけて言うと、「罪を憎んで人を憎まず」ではなく「人を憎んで己の正義感と読者・視聴者を悦ばす」マスコミと同じ精神構造だったんですよね。幼かったなぁ……今でも幼いけど(苦笑)。でも、本当に、あの頃の自分は、心底思いきりド突き倒してやりたいですね。最低な野郎でした。

>ぼくもその辺の説明に納得したことがなかったんですけど……だって、たいがい穴だらけで(大汗

もちろん私もそうなんですけど、周りを見ていると、自分のほうが圧倒的に少数派だと感じる事はありませんでしたか。
Posted by 田部勝也 at 2007年09月07日 23:16
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