2008年01月04日

汎用インフルエンザ・ワクチン

「科学ニュースあらかると」さんによると、BBC Newsが、新しいインフルエンザ・ワクチンの開発に関する記事を掲載したそうです。

記事 : 汎用インフルエンザ・ワクチンの可能性が見えてきた(科学ニュースあらかると 08年01月04日)
http://www.mypress.jp/v2_writers/beep/story/?story_id=1693267

概要は
・従来のワクチンと異なり、変異しにくいタンパクをターゲットにしている
・そのため、一生に一回か二回の接種で免疫が持続することが期待できる
・鳥インフルエンザ「H5N1」にも効く可能性がある
・人間を対象にしたテストでも効果が確認されている

とのこと。
詳細はリンク先をお読みいただくとして、ひょっとすると、これで年間数十万人の生命が救われるのかもしれない。新型インフルエンザの流行(パンデミック・フルー)に間に合えば、素百万人とかのオーダーの、本当に数えきれないほどの人命が救われる可能性が出てきたわけですね。日本でも同種のワクチンの研究は進んでいるそうですし、実用化に成功したら、こういう人たちにノーベル賞が行くのかなあ。

まあ、実用化にはまだ数年かかるそうですから、それまで現在の予防接種の必要性は変わりませんし、高リスク群の方々が罹患した場合はタミフルやリレンザなどの治療薬が必要なことは開発後もきっと変わらないのでしょう。それでも、いやあ、いろいろな意味で朗報ですよね。

こうなってくると、耐性菌を作りだしちゃって新型インフルエンザの発生を早めたりしないことも重要性を増すのではないでしょうか。

BBCによる元記事は下記。

Universal flu jab works in people(BBC NEWS 4 January 2008)
http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/7171118.stm

記事の冒頭を「科学ニュースあらかると」さんによる訳でご紹介します(赤字は亀@渋研Xによる強調)。
英国では、毎年冬に流行するインフルエンザによって4000人ほどの死者が 出ています。

世界全体では、毎年50万人〜100万人の人達が、インフルエンザによって 死亡しているのです。

そして、人間から人間へと感染を広げる様な変異を生じた鳥インフルエ ンザ・ウイルスが世界的な規模で流行した場合には、世界中で最大5000 万人の人々が死亡するかもしれないのです。専門家達は、現在鳥類で流行 しているインフルエンザ・ウイルスが変異するのは時間の問題だと考えて います。

「科学ニュースあらかると」さんもおっしゃっているように、〈疾患に対する知識を普及させ、「インフルエンザは危険な疾患では無い」と主張する馬鹿者を撲滅する方がより大事かもしれません〉ね、本当に。


posted by 亀@渋研X at 22:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 汎用インフルエンザ・ワクチン
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