2008年01月23日

江原啓之「ハッピー筋斗雲」

「人間の尊厳を傷つけかねない」 フジ「江原」番組をBPO「断罪」(J-CASTニュース 2008/1/21)
http://www.j-cast.com/2008/01/21015791.html
民放とNHKでつくる「放送倫理・番組向上機構」(BPO)の放送倫理検証委員会は2008年1月21日、フジテレビの番組内で「スピリチュアル・カウンセラー」江原啓之さんが登場した企画の一部内容について「制作上の倫理に反するものと判断する」とした委員会決定意見を発表した。検証委は「一方的に『スピリチュアル』といった非科学的なカウンセリングを押し付けていいものか」とも問題点を指摘した。
半年近くを経て、ようやく……ではある。


BPOの発表した「意見」は、腰砕けな部分もあり不満も残るが、まずは意見が出たことを評価したい。一応は、倫理規定についても触れている。

放送倫理検証委員会:委員会決定●FNS27時間テレビ「ハッピー筋斗雲」に関する意見(BPO/放送倫理・番組向上機構 2008.1.21)
http://www.bpo.gr.jp/kensyo/kettei/k002.html
民放連の放送基準は、占いや運勢判断、霊視など、科学的根拠に乏しい題材の取り扱いには、慎重な対応を求めている。今回のように、本人が進んでそれを望んでいないケースでは、なおさら霊視などの題材を番組に取り入れることには慎重であるべきである。まして、“おもしろさ”を求めて、スピリチュアルカウンセリングを喧伝するかのような構成・演出は避けられて然るべきである。


この件、新聞には記事が(目立つほどではないけれど)出た。しかし、ムスメが見ている朝のニュースワイドでは触れられなかった。あ、フジテレビだから当然か。しかし、どうもテレビではほとんど扱われていないらしい。ネットではテレビ発の報道はTBSニュースぐらいしかヒットしない。やれやれ(下の画面はGoogleのキャッシュから。局のサイトにはもうないらしい)。

tbs200801211800.jpg

そんなことを思いながら読売新聞でこの件の報道を確認したあと、一面の書籍広告に気づいた。いわゆる「サンヤツ」ってやつだ。

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Webサイトはこちら。
http://www.voice-inc.co.jp/

それぞれこんなムックだ。

こういうスピリチュアル系の書籍や雑誌の広告が新聞の一面に出るのは、珍しいことではない。もちろん読売新聞に限らない。朝日新聞でも何度も目にしている。他紙でもあるに違いない。

「新聞広告だって、倫理規定ってもんがあるだろうになあ」と思ってググったら、あっさり見付かった。

新聞倫理綱領
http://www.pressnet.or.jp/info/rinri/rinri.htm

なかに「新聞広告倫理綱領」や「新聞広告掲載基準」というものがある。
新聞広告掲載基準

1976(昭和51)年5月19日制定・1991(平成3)年3月20日一部改正

「新聞広告倫理綱領」の趣旨にもとづき、「新聞広告掲載基準」を次のとおり定める。
 以下に該当する広告は掲載しない。
(略)
9. 非科学的または迷信に類するもので、読者を迷わせたり、不安を与えるおそれがあるもの。
(以下略)

あるんだよなあ、やっぱりこういう一条が。

それなのに、せめて一面には載せないとかいう判断が、どうして働かないのだろう。なにを考えているのだろうなあ……。
posted by 亀@渋研X at 04:47 | Comment(3) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 江原啓之「ハッピー筋斗雲」
この記事へのコメント
細木氏の方は、3月一杯で番組降板だそうですね。江原氏も、その方向に向かうのでしょうか。
早くこのセリフが言えると良いです。「何もかも皆、懐かしい。」
私はもう結構なのです。屁理屈を述べる御人を、TVで見るのは。
ただしこのくらいならば、私も許容できます。「昨日、ひょうすべ見ました。」
この妖怪にはさほど詳しくないのですが、なぜか語感が気になるのですよ。「ひょうすべ。」ううむ^^;。
Posted by TAKA at 2008年02月03日 02:29
いやあ、テレビというか三文マスコミというか、そういうところは「のど元過ぎれば」って意味ではボクと同レベルなんで、また新しい肩書きやら人物やらが出てきますよ。モグラたたきかシジフォスか賽の河原か……。
そんでも、気にし続けていれば改善されることもある、と。

「ひょうすべ」……ううむ、水木しげるで見たような気が……。
でも、あえてググらないで「ケンムンに似てませんでしたっけ?」

全然違うような気もする(^^;;

そういえば、今日、こんなフレーズに出会いました。
「おむすびはおいしい。それは、人の手で握られるからだ」
太宰治の小説のなかのセリフにあるんだそうで。もっとも、うろ覚えでして原文通りではないと思うんですけどね(^^;;

ぼくは、引用され方をふくめて「うんうん」となり、「ああ、そうだ太宰って厭世的なだけじゃなかったんだよなあ」なんて思ったのです。「握る人の思いが込められているのだ」なんていう、書かれていないことまで勝手に読み取るというか付け加えちゃって、ちょっとじーんとしたり。

んでも、この1行だけで「ええ話や!」となる方もおいででしょうけど、これが「いい話」かどうかは文脈次第だと思う方もおいでで。「だから機械で握ったやつはダメ」とか「ゾンザイに握っちゃダメ」とかね。そうなるとどうなの、とかね。

「あらゆるおにぎりに必ずある『うまさ』は実在するでしょうか」

そんな話を誰がしてるちゅうねん。

ああ、いかん。なんかに憑かれてるかも。寝ます(^^;;
Posted by 亀@渋研X at 2008年02月03日 05:06
kikulog「江原番組に対するフジテレビの見解」(http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/%7Ekikuchi/weblog/index.php?UID=1207180281)で触れられていた局見解(http://wwwz.fujitv.co.jp/fujitv/seisyonen/kaitou.html)が、なくなっているそうで。
たかぎFさんがコメント欄(http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/%7Ekikuchi/weblog/index.php?UID=1207180281#CID1208792778)で教えてくれた、魚拓
http://s01.megalodon.jp/2008-0403-1052-25/wwwz.fujitv.co.jp/fujitv/seisyonen/kaitou.html
Posted by 亀@渋研X at 2008年04月22日 17:05
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