2008年02月23日

ヘッドホン難聴と加齢による「高域不感症」

昨年のネタなのだが。忘れてたのだ。

私は耳が遠い。(やぶいぬ日記 2007-12-29)

人間の可聴帯域は20hz〜2万hz(20Khz)と言われているけど、大学生以下の諸君には聴こえている20Khz近い高音は、40代の私やあなたには聴こえていない場合があるのだよ、という話。「高域不感症」ってのは、ボクの造語です。ひょっとすると、単に難聴でいいのかも。

一応概略を下記に書きますが、できたらエントリからコメント欄まで全部読んでください。おもしろいので、おすすめ。

概略を要約すると、まず、やぶいぬさんの「実はオレは耳が遠いのだが、パソコンのソフトで計測したら15Khzぐらいまでしか聴こえていないではないか、ほんとか」とか「そういえば、高名なるオーディオ評論家のみなさまは、それなりにご高齢なのだが、耳が遠くなってたりしないのだろうか。というか、なってないわけはないのだが、その辺、どう折り合いをつけているのだろうか」というようなエントリがあり、コメント欄でアタシがうっかり「ヘッドホン難聴という話があるが、あれは実証されていないらしい」というトピずれな話をし、すると大友良英さんが現れて、意外なお話を披露してくれた。

大友良英さんのお話は、「ヘッドホン難聴は研究はされてないんだろうけど、ありますぜ」「っていうか、40代ぐらいだと14〜16Khzあたりまでしか聴こえてないことが多いよ」「だけど、体で感じるってのも確かにあって、聴こえてなくても具合が悪くなるなんてことも実際にあるみたい」などというお話であります。

ちなみに、ソプラノの人の音域がC4〜E6だそうです。これはどれぐらいの周波数か。ちょっと調べてもわからなかったんで、簡単な計算をしてみます。基調音とされるラの音がA4でして、これがまあ440hzです。で、1オクターブ上がると周波数が倍になりますんでA5が880hz、A6が1760hzですよね。E6つうたら、それよりちょっと上で、A7=3500hzまではいかない。A7=3.5Khzですよ、20Khzって、いったいどんな音ですか。

えー、ここには、いくつもの教訓というか情報があるんですが、ぼくの関心事項でいくと……

  • あんまり高音域を鳴らされても、中年=オレには聴こえてないかも。倍音とかも
  • 最近、かあちゃんの声が聴き取りにくいことがあるのは、そのせいか?(んなアホな。子どもの声は聴き取れとるわい。だいたい、そらどんな金切り声やねん)
  • 若い人も中年も、やっぱりヘッドホン難聴には気をつけよう
  • 「実証されていない」と言うと「事実ではない」とイコールに聴こえるかもしれんけど、そうとは限らない
  • 「個人的な体験は一般化できない」はもっともなのだが、その道の人に言われると、やっぱり説得力があるなあと感じてしまう
  • ところで小学校の校長先生は、児童の金切り声が聴こえているのでしょうか(でも、15Khz以上しか含まない声なんて、まずないよね?)


世間には、こんな話もあります。

大人には聞こえない着信音(Slash dot JAPAN 2006年06月16日)
高周波数の音は年齢とともに徐々に聞きにくくなるため、おおむね20代後半以降の大人には聞こえないか、ほとんど気にならない。しかし 10代の若者にはかなり耳障りで、店頭に長く居座るなどの迷惑行為を防げるような用途にも利用することが出来るそうだ。若者達はそれを利用して、携帯の着信音に大人の先生には聞き取れないような音を使い、授業中でも堂々と携帯電話の着信音を鳴らせるという。

記事中に、サンプル音源が示されているんですが、ぼくにはそれらしい音は聴こえませんでした(背景音らしい音は聴こえるんだけどなあ)。ほんとになんか鳴ってるんでしょうか、っていう感じ。

ちなみに、音にも錯覚はあるんだそうで、人声の周波数を調べていたら、こんな話を見つけました。

また、音響心理学ではミッシング・ファンダメンタル(Missing fundamental = 失われた基底音)という現象が知られている。これは、音を構成する複数の成分の周波数に最大公約数が存在する場合、実際に含まれないその周波数の音を聴いてしまうこと(例えば2000Hzと1800Hzの純音成分を同時に聴くと200Hzの音を感じてしまう)である。これは内耳などの末梢組織ではなく大脳の聴覚皮質において行われているという説が有力である。このように、「音高(基本周波数)」の認知は、大脳も用いた高次な処理であることが推測される。
(略)
他の人間の感覚と同様に、聴覚にも錯覚が存在し、この「聴覚の錯覚」(Auditory illusion)の結果、音高の相対的な知覚が惑わされる場合がある。これには、「3全音パラドックス(Tritone paradox)」などいくつかの例があるが、最も特筆すべきなのは「無限音階(シェパード・トーン、Shepard tone)」である。これは、連続の、あるいは不連続の特別な音のスケールが、上昇ないしは下降し続けるように知覚される現象である。


えーと、もう、なにを聞いていて、なにを聞いていないんだか、わかったもんじゃないですね(汗


posted by 亀@渋研X at 23:03 | Comment(6) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - ヘッドホン難聴と加齢による「高域不感症」
この記事へのコメント
最後の錯覚の話ですが、テルミンの原理に似ていますね。菊池誠さんが、大人の科学で開設されていました。

それによると、周波数の異なる2つの高周波の和から、周波数の「差」を取り出すことができるということです。

そうすると、最小公倍数というWikipediaの記述はどうなんでしょうか。
Posted by びりい at 2008年02月24日 00:41
この記事の、2番目の原理ですね。
http://otonanokagaku.net/feature/vol12/index.html

あー、確かに「(2)高周波の和を作り、ラジオと同じ検波回路によって差の周波数をとりだす」と書いてありますね。
Wikipediaの方は、誤訳という可能性もありますが、参照先の英語版を見てみても、なにがなにやら……でした orz
Posted by 亀@渋研X at 2008年02月24日 10:57
ぽくは耳の穴から鼓膜に至るまでの管の形状に難があるらしくて、じつは音楽好きとしては致命的に耳の性能が悪いです。そんな性能で、CDの録音可能音域を完全に使い切ってしまう(と云うか足りない)ようなガムランを愛好するのはもともと無理がある、と云うか、耳じゃないところで聴いてるんだろうな、と思うしかなかったり。
Posted by pooh at 2008年02月24日 23:38
なんか音楽好き中年には居たたまれないような、身もふたもない話ですよね。

>CDの録音可能音域を完全に使い切ってしまう(と云うか足りない)ようなガムラン

え、そんな高域まで……気づかなかった……。うーん……中高年の、しかも生でガムランを見たことのないボクのようなリスナーは、えーと、いろいろと補完して聴いているとか、いや、あの、以下自粛
Posted by 亀@渋研X at 2008年02月25日 00:34
(^-^)言及いただきましてありがとうございます。

難聴とか「聴こえ」を真面目に検証すると様々な要因が複雑に絡むでしょうから、周波数の話題というのはあくまでトリビア的なトピックだとは思いますが。女房のイヤな小言は耳が素通りするとか。まさに「大脳も用いた高次な処理」(爆)。

あと、黒人は先天的に倍音の差音をよく聞き取ることができるらしく、それが(イロイロむずかしい理屈があって)いわゆる「ブルーノート」になるという説があります(濱瀬元彦『ブルー・ノートと調性』)。単に「ギターでレ#をちょっとチョーキングするとブルージー」という話にとどまらない(笑)奥深いものなのだそうです、ブルーノートは。

僕の住んでる町には夏祭りの呼び物としてなぜか神社にガムランの奉納があったり、バリ島好きなんで何度か行ったりしてライブで聴いています。あれはねぇ、絶対、耳だけで聴いてないですね。音の唸りが直接、物理的にカラダにくるというか。まるで音でできた「波の来るプール」みたいです。
Posted by やぶいぬ at 2008年02月25日 16:00
ああ、いや、今さらでちょっと恥ずかしいです(^^;;

>まさに「大脳も用いた高次な処理」

「クオリア処理によるアヘ体験」とかいうて(^^;;

>音でできた「波の来るプール」

腹に来る低音とか骨に来る高音とかいうレベルではなさそうな、そういう唸りみたいなものというのは、どんな高性能でも録音・再生なんてできないような気がしますよね。

たかが振動、されど振動なのか、それともあくまで主観なのか。
Posted by 亀@渋研X at 2008年02月25日 16:11
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