2005年11月11日

中学生の「実験」

先日、子どもの通う中学校の理科の授業を見た。
複数の液体を観察して、それがなんなのか推論するもののようだ。観察実験そのものは前回の授業で行ったらしく、私が見たときは「実験結果がどうだったか。そこからなにがわかるか」を述べあうというステップ。
これが、実に「学校での実験の悩ましさ」のサンプルのようなものだった。

授業での話から想像するに、実験はこんな手順で行われたものと思われる。
1. 3種類の液体を先生が用意している。あるいは、ビーカーかなにかで配布される。
2. 生徒は、まず第一の液体を試験管に移して色や匂い、肌に付着させたときの感覚などを観察し、メモを取る。
3. 次に、第一の液体を捨て(このとき、試験管を洗っていないようだ)、同じ試験管に第二の液体を入れ、また観察。これを第三の液体でも繰り返す。
実験に使われた3種類の液体は、メタノール、メタノールの水溶液、水。色の濃淡、匂いの強弱、揮発の3点を観察させるための実験のようだが、もちろん、メタノール(アルコール)の特徴を把握させることに目的があるわけではなく、観察ってどういうことなのかとか推論の練習とか、匂いを嗅ぐときのやり方とか、そういうことを知るためのものなのだろうと思う。

教科書的に期待されている実験結果は
第一の液体:色が明瞭にわかる程度にある、匂いが強い、揮発するのでスースーする
第二の液体:一の液体に比べて色が薄い、匂いが弱い、あまりスースーしない
第三の液体:無色、匂いがない、全然スースーしない
ということらしいのだが、まず、第二の液体と第三の液体の結果が逆のグループがあった。液体を取り違えているのではないかという話だったが、それで生徒は納得できるのか。次いで、第三の液体が、多くのグループでは期待されている結果が出ていない。試験管を洗わないせいだろうけれども、どうしても匂いが残るのだそうだ。また、揮発している感じが弱いけれどもある、というグループもあった。

こうした困った事態は、当然ながら小学校でもよくあることだそうで、期待された結果がでないことの方が多いらしい。先生は説明に窮して「教科書に書いてあることを覚えよう」になってしまうことも多々あるらしい。
このメタノールを使った実験は、果たして目的に対して適切な手段なのだろうか。このばらつきは「実験の精度」とかいうレベルの話じゃなくて、現場での指導の問題なのか。

中学のこの授業では、実験結果を誤りとはせず、「君たちが観察したことは、それはそれでよいのだ。しかし」という文脈でなにやら歯切れの悪い説明がされていたが、実はそここそ重要なのではないか。そうすれば、「検体を間違えたら結果がおかしくなる」ということを学べるかもしれない。


posted by 亀@渋研X at 09:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 学校とか教育とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 中学生の「実験」
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