短くしてもいいんだけど、「あちゃらかな製品をどうやって評価するか」というテストケースになっているような気もするので、こちらに全文を投下。
コメントとして書かれたものなので、リンク先の質問を読まないと意味がわからない部分が多々あります。まあ、おおまかに言うと
・何種類もの香水がある(1本8000円ぐらい)
・それぞれ異なる「○○するエネルギーを活性化する」という効果をうたっている
・その効果は「オーラ診断」と称するパソコンでのテストで確かめられると言っている
・「オーラ診断」が科学的にあり得ないものならば、これは詐欺ではないか
というような話です。
質問者である想像力さんが、(1)この商品が欲しいけど迷っているのか、(2)単に「オーラ診断」の真偽を問うているだけなのか、(3)それとも「オーラ診断」を根拠にすることは詐欺に当たるのではないかと考えているだけなのか、そこは質問から読み取れませんでしたので、そのすべてについて答えようとしてしまいました。
まあ、オーラが出てくるところで個人的には「わかりやすすぎ」だと思うわけで、ここは(3)だと思いたいのですが、世間にはテレビ局自身が「真実ではない」と言っているも同然なオーラ番組を信じちゃう人もいるようなので、そこも捨てきれなかったというわけで。
では、はじまりはじまり。
----コメントここから----
想像力さん、こんばんは。
ご紹介のリンク先2つをざっと拝見しました。
う〜ん、こういう商品に惹かれる気持ちはわからなくもないですが、ないものねだりというか、なんというか……。外に出るといろんな匂いがありますよね。汗かいたりもするし、料理の香りがしたりもするし。そういうので打ち消されたりとか、しないんですかね。
惹かれているわけじゃなくて、詐欺かどうかに関心がおありだというならば、詐欺だということをはっきりさせるのは難しいでしょう。法律には詳しくないですが、「効果がない」とわかっていて売ってるとかいうことが明らかにならないといけないんじゃないかと思うので。
また、具体的な被害を示して訴える必要があるでしょうから、「効果がなかった」というだけなら、訴えても購入価格分の返金で終わってしまいそうです(潜在的な損失、逸失利益についての損害賠償を求める手もありそうですが、認められる可能性がどれぐらいあるかというと……厳しいだろうなあとも思いますし)。というか、そういう被害者を見つけなければなりません。
>「オーラ診断」が、もし科学的にありえない行為ならば
科学的には「ある」と考える理由は見つかっていないだけで、「ありえない」とまでは言えない……というところまでは、科学的に考えようよという立場の人なら、誰も異論がないでしょう。ぼくはもう一段踏み込んで、100年ほどにわたってずっと存在することさえ明らかでないという時点で、現段階ではオーラは存在しないと考えられていると言い切っていいと考えています。
もちろん、この判断が間違っていて、今から100年後とかに存在が明らかになるかもしれませんが。無責任に思えるかもしれませんが、はっきり「ある」といえないものはとりあえず「ない」と仮定しておくのが、この手のものへの安全な判断方法です(事実に対する科学的な態度にも、そこそこ合致するようです)。
もやもやするかもしれませんね。ただし、次のことははっきり言えます。「ある」と考える理由が見つかっていない段階で、それが有効だと言って商品化の根拠にするという行為は怪しい。少なくとも無茶な勇み足です。
この手の商品は、公取委とかに「効果があるという確かな根拠を示せ」と突っ込まれたときには、なにも示せなくて排除命令をくらうでしょう。うたっている効果が細かすぎあいまいすぎて、テストしようがないので(オーラ診断が現在の公取委に根拠と認められるとは考えられません)。
想像力さんのおっしゃるオーラ診断って、ご紹介のページにある「滋賀県の北の方に、オーラ測定をしてくれるお店があるらしい!」という記事で使われているものと同じですか?
であれば、かつてきくちくんが見つけた、I.H.Mが売っている「オーラインモーション」ってやつ、そのもののようですね。このソフトウェアについてのきくちくんの評価は下記。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/%7Ekikuchi/weblog/index.php?UID=1143041476#CID1143731079
I.H.Mのオーラインモーション/オーラビデオステーションのページ
http://www.hado.com/shopping/kiki/aura.htm
サイト内検索で「オーラ」を探してもヒット数が多すぎたので、グーグルで「オーラ -オーラの泉」でサイト内検索したら引っかかって来ました。
もっとも「オーラ診断」以前に、kuritaさんが「免疫力」とおっしゃっているように、一般にオーラの存在そのものが疑問視されている(というか、オカルトの類いの代表選手のひとつとみなされている。wikipediaの「オーラ」の項目でもどうぞ)というのがぼくの認識です。
もちろん「ない」ということは論理的には証明できません。しかし、あると考えられる理由も見つかってない。ないと仮定して困る理由も、ぼくにはないです。あるかもしれないと考えることによって増えるわずらわしさはいくらでも思い当たりますが。
そうは言っても、オーラがあろうがあるまいが、特定の香りが心身の状態に影響を与える可能性はあります。また、特定の香りが、興奮作用があるとか、緊張をやわらげるといった程度のことであれば、実証されている場合もあったんじゃなかったかと思います。
そうでなくても、信じて使えば一定のプラセボ的な効果があるかもしれません。やくざ映画やアクション映画を見た後、なんだか勇ましくなったような気がするのと同じで。
しかし、ご紹介の商品のように「万人にとっていい香り」があれば、既存の香水業界は大いに盛り上がるか、壊滅的な打撃を受けそうですね。そんな話は聞きませんが。
しかも、「根本的な生命力を活性化」だのなんだのというむやみに都合のいい効果が確かにあるのであれば、さまざまなシーンで活用されていてもおかしくありません。医療でもカウンセリングでもニート対策でも。
また、キャッチコピーとはいえ、「○○をするエネルギーを活性化」というフレーズが目立ちますね。「エネルギーが活性化される」って意味不明なような。「○○を強化」とかいうと引っかかる場合でも、活性化と言っとけば逃れられるとでも考えているんじゃないかしらん……。
まあ、まだいくらでも突っ込みどころはありそうですが、そこはさておき。
「まったく効果がないわけではないかもしれない」にしても、怪しいと考える理由はたくさんあるわけです。ぼくならそんなものにお金は出しません。タダでくれるというなら、もらうかもしれません。「こんな妙なものが世の中にはあるんだよ」と話題にするために。
使ってみろというなら、お金をもらってもいやです。たぶん無害でしょうけど、こういう得体の知れない商品がちゃんとした安全評価がされているとは、ぼくには考えられませんもの。
ちなみに、ぼくは冷凍ギョーザは買って食べます。あの騒ぎのさなかにも食べてました。そういえば、BSE(狂牛病)騒動のときは焼き肉屋が空いていてサービスも満点だったので、よく友人と足を運びました。気にしても始まらない程度のリスクしかないと判断したからです。
でも、こういう商品は買いません。お金をどぶに捨てるのと変わらない「かもしれない」ものを買うのは、いい加減な業者をはびこらせるだけだと考えているからです。
----コメントここまで----
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/%7Ekikuchi/weblog/index.php?UID=1165332928#CID1207608510
おおざっぱにいうと、ぼくが考えていたのは刑事事件としての詐欺で、やはり成立させるのは難しいだろうとのこと。ただ、民法上の詐欺行為に問うことはできるのではないか、とのお話でした。民事のことは、何度聞いてもすぐに忘れるなあ(汗
せっかく長いコメントをくださったのに
なかなかこちらにコメントが書けずごめんなさい。
>「ある」と考える理由が見つかっていない段階で、それが有効だと言って商品化の根拠にするという行為は怪しい。
本当にそうですね。
当時見えるんだと浮き足たった自分が
恥ずかしいです。
気分のいいことを言われて
買わされてしまいました。。。
>想像力さんのおっしゃるオーラ診断って、ご紹介のページにある「滋賀県の北の方に、オーラ測定をしてくれるお店があるらしい!」という記事で使われているものと同じですか?
同じです!
結構納得いくコメントを当時されたのですが
整理番号順に見てもらったので
今思えば事前に個人情報が七田チャイルドアカデミー側から流れていたのかなと思っています。
で肝心の商品の「香り」は変な匂いでした。
洗練されていない昔の香水のような…
でもその匂いで幸せになった気もちになるのは
自由なことかと思いますが
オーラ診断をして売る、という手法に
(ひっかかった自分にですが)腹が立ちました。
でもこういうことをしている団体ということは
いつか淘汰されると思って静かに暮らすことにします。
>ちなみに、ぼくは冷凍ギョーザは買って食べます。あの騒ぎのさなかにも食べてました。
ごめんなさい。本題とずれますが反応してしまいました。私は出来る限り加工食品をもとから
食べない質です。自分で材料を買ったらこれだけ
コストがかかるのに練ってわからなくなってしまう材料の中に一体どんなものが入っているのだろうかと思ってしまうのです。外ではたまに食べますが、やっぱり美味しくないなと思うのが
大半です。今の時代こういう加工食品で
助かっている人たちがたくさんいると思うので
なんともいえませんが、私は自分で食べるものくらい自分で作らなきゃと(主婦なので)思い
日々生活して貫いています。
と、ただこんな自分を書きたかっただけです。
ごめんなさい。いや、こういうところに
せっかくこだわっているのだから
変なものにはひっかからない「免疫力」
つけないといけないと
改めて反省した私です。
ちなみに狂牛病騒動の中牛肉を食べる、
については共感します☆
ありがとうございました。
丁寧なコメントをありがとうございます。
>今思えば事前に個人情報が七田チャイルドアカデミー側から流れていたのかなと思っています。
ホットリーディング( http://www.nazotoki.com/hot_reading.html )ですね。占いっぽいものだったのでしょうか。つながっている業者間であれば、やろうと思えばそういうことも可能ですね。
>でもこういうことをしている団体ということは
>いつか淘汰されると思って静かに暮らすことにします。
賢明だと思います。
気をつけたいのは、何年経っても淘汰されるとは限らないということです。そうなると、逆に「ここまで生き延びている話なら、それなりの効果があるということだろう」と考える人も出て来ます。これ、実は効果があるわけではなく、「怪しげな内容でも人をだまして信じさせる手法」が何年経っても有効だというだけの場合もあるということですよね。
ぼくら科学者でもなんでもない人間にとっては、素朴には「根拠や話の筋道があやふやな話は信用しない」で十分だということかな、と考えています。信用しないでいて被害を受けるということは、ほとんどあり得ないので。
そういう意味では
>私は出来る限り加工食品をもとから
>食べない質です。
これは充分に十分に有効な判断基準だと思います。昔からいう「安かろう悪かろう」「安物買いの銭失い」も、一定程度は正しいと思うし(常に正しいわけじゃなくても)。
とはいえ「加工食品や工場で作られた食品は、絶対食べない」ってとこまで行っちゃうと、今度は買える食品が極端に減っちゃう。加工食品=危険なわけでもない。
というわけで「不必要に頼らない」とか「できるだけ避ける」というのであれば、とってもバランスのとれた判断かと思います。
放っておいても長生きしてしまうのが、今の「安全で安心」なご時世ですもんね。豊かさの代償とまで言うと大仰ですが、長く生きる分、短命なときよりも余計な体の故障や不安は増えます。気にしなくてもいいのだと言われても、気になるものは気になりますもんね(^^;;