2008年01月29日

【メモ】消化不良:科学への信頼とか

ちゃんと考えないといけない、いくつものエントリを読んだ。

当事者意識(Chromeplated Rat 2008-01-29)
結局のところ、ニセ科学を肯定する側も批判する側も、根底の部分では科学に基本的な信頼を置いている。そうしないと、ふつうの生活が成り立たないから。
同意。

基本的な信頼というのは、当たり前だけれども盲目的な信頼とは違う。科学主義っていうことばを最近知ったけれども、それとも違うだろう。ていうか、今のところは、科学主義って「基本用語」に書いた「科学万能主義」「科学原理主義」みたいなもんだろうと当たりをつけているだけで、わかってません。すいません。
ときおり見かける「ニセ科学について信奉者側と批判者側を中立的に公平な視点でみているつもりの言説」と云うのは、典型的にこう云う種類のもの
という辺りを読んで、昨夜読んだ、別の人たちのコメントだとかエントリだとかを思いだす。思いだしはするけれど、消化できないでいる。

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posted by 亀@渋研X at 23:34 | Comment(14) | TrackBack(2) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 【メモ】消化不良:科学への信頼とか

Seesaa復活?

前エントリでも書きましたが、27日の夜からseesaaのサービスが半死半生で、コメント等が反映されませんでした が、29日の0時を過ぎた辺りで生き返ったようであります。
障害報告は更新されていませんが、「直った」というトラックバックが複数ついているので、まあ、それなりになんとかしたのでしょう。

ご迷惑をおかけしたみなさま、すいませんでした。

で、27日夜から28日にかけては真剣にブログの引っ越しを考えて、こんなもんまで作りました。

PSJ渋谷研究所X(臨時避難所)

んでも、ここら辺に書いたように、なかなか引っ越しってうまくいかないですねー。ここは「跡地」にして、あっちには新しいエントリだけ書くとかいうふうにするしかないのかなあ、でも、そうすると2つのブログを運営するようなことになんねえか? なんていう不安もありまして。

というわけで、今後どうするかはまだ思案中です。いろいろすいません。
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2008年01月27日

ナゾなリファラ2(1/28修正)

先日の「ナゾなリファラ」について、seesaaの中の人から、先日お返事をいただきましたので、適当にはしょってご紹介。

と思ったら、引用公開は禁止されているようなのでメール本文は削除(汗

やっぱり、なんか外からの操作があったようです。影響は、リファラに出てくるだけらしいけど。なんであの記事だけだったのか……よくわかりませんが、リンクがたくさんあったから、って可能性はあるかなあ。

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2008年01月23日

江原啓之「ハッピー筋斗雲」

「人間の尊厳を傷つけかねない」 フジ「江原」番組をBPO「断罪」(J-CASTニュース 2008/1/21)
http://www.j-cast.com/2008/01/21015791.html
民放とNHKでつくる「放送倫理・番組向上機構」(BPO)の放送倫理検証委員会は2008年1月21日、フジテレビの番組内で「スピリチュアル・カウンセラー」江原啓之さんが登場した企画の一部内容について「制作上の倫理に反するものと判断する」とした委員会決定意見を発表した。検証委は「一方的に『スピリチュアル』といった非科学的なカウンセリングを押し付けていいものか」とも問題点を指摘した。
半年近くを経て、ようやく……ではある。


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posted by 亀@渋研X at 04:47 | Comment(3) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 江原啓之「ハッピー筋斗雲」

2008年01月11日

共同出版商法を知っていますか?

先頃、新風舎という出版社が民事再生法の適用を申請したという報道がありました(1/20追記:1/18付け報道によると破産が決まったようです→asahi.com「新風舎、破産手続きへ 支援交渉まとまらず」)。

Google Nes

※ニセ科学とは関係ありません。ロジックとしては似てると思うけど。

mixiの日記で上記に触れたら、意外に「共同出版商法」そのものが知られておらず、「自費出版」と区別がついていないのだということに改めて気づきました。
報道でも「自費出版の」と書かれているし、「新風舎商法」とか言われて裁判が起きたときもそこまで踏み込んだ説明のない記事が大半だったので無理もないのですが。

というわけで、ちょっと解説。

まず注意。
少なくとも、自費出版を手がけている小出版社には、地方で細々といい本を出しているような良心的な会社がたくさんあります。自費出版=危険、では決してありません。

次に、今回民事再生法の適用を申請した新風舎のような営業スタイルは「共同出版」「協力出版」などと呼ばれています。自費出版との最大の違いは、自費出版では出版社は本を作ってくれるだけで、売ってくれない(少なくとも、積極的に売ってくれると期待することはできない)のですが、共同出版や協力出版の場合はそうではないようです。

それから、「新風舎商法」などと呼ばれたせいで、新風舎個別の問題という見方をしている人が多いのですが、「そうではなくて共同出版全体が抱えている問題ではないか」という指摘もあります。

しかし、ぼくが少しばかりでも調べたことがあるのは「新風舎商法」だけなので、その点についてはまったくわかりません。
原理的には問題のない「共同出版」もあってもおかしくないと思います。しかし、後述するような契約内容やその後の契約の履行状態などが、新風舎単独の問題なのか、共同出版や協力出版を名乗るところは似たり寄ったりなのか、ぼくには全然わかっていません。

さて、以上を踏まえたうえで下記をどうぞ。

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2008年01月09日

ぼくらの中の「気づかれない子どもたち」

昨日のエントリ「コメントの構造」に関連して。

ぼくは「あの作文を独力で書いたのなら希有なことだ」と考えましたが、言い換えれば「対話などで引き出しながらであれば、到達できるだろう」とも考えています。つまり、かなり小さな子どもでも、人生に対するそれなりの知見や認識をもっていることは、珍しくないのだと考えています。
はてなブックマークでコメントを寄せていたオトナたちにも「あれぐらい考えている子どもはいるだろう」とか「子どもをなめんなよ」という指摘がありました。
言及したエントリのTAKESANさんも、コメント欄を拝見すると、ぼくと同じようにお考えのようです。

しかし、はてなブックマークでコメントを寄せていたオトナたちの圧倒的多数は、あの作文に驚いたり、いぶかしがっていました。
なぜこうした認識の違いが生まれるのでしょう?

ぼくのたどりついた結論を先に書くと「子ども時代に考えたことは、忘れられるというよりも、そもそも定着しにくいのではないか」ということになります。以下、その理由も含めて考察してみましょう。

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posted by 亀@渋研X at 09:42 | Comment(3) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - ぼくらの中の「気づかれない子どもたち」

2008年01月08日

コメントの構造(土居先生〜)

TAKESANさんちの「反応」経由で、はてなブックマークの数百に及ぶコメント群の一部と、その対象となった、ある小2の作文を紹介するエントリを読んだ。

紹介されている作文は、赤木かん子・編『日本語ということば - Little Selectionsあなたのための小さな物語 15』(ポプラ社 2002年5月)という本に掲載されている「『あまえる』ということについて」という作品だ。

コメントで言及されていたので、同じ作文を紹介していたもっと以前の別の方のエントリも読むことができた。だからここでは2つ並べて紹介してしまおう。

小学校2年生の作文に泣かせられたよ。(Something Orange 2008-01-05)

「『あまえる』ということについて」を読んで(メロウマイマインド 07年05月15日)

もっとも、両方読んでもこの作文のほんの一部しか読めない。総量は(おそらく四百字詰め原稿用紙に換算して)45枚分というから、半分にも満たない。
後者のエントリは話題を呼び、〈「『あまえる』ということについて」を読んでを読んで〉〈〜を読んでを読んでを読んで〉〈〜を読んでを読んでを……〉という調子で多くの言及エントリを生んだようだ。ググるとちょっとビビる。

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posted by 亀@渋研X at 03:52 | Comment(4) | TrackBack(1) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - コメントの構造(土居先生〜)

2008年01月07日

【メモ】私やあなたのカルト宗派

プログラミングのカルト宗派(スラッシュドット・ジャパン  2008年01月04日)
DZone経由。ハッカーのMichael Ash氏が、自身のブログにThe Cult of Programmingという記事を書いています。「経験上、ほとんどのプログラマは以下の『宗派』のいずれかに分類される」とのこと。

  • 経験カルト
  • 最適化カルト
  • 簡単カルト → 簡単化カルト
  • 高速カルト最速化カルト → 最短カルト
  • 不確実性カルト
  • 完璧カルト
  • カーゴ・カルト

いくつか「予後不良」なものもあるようです。
(後述のコメント#1275148と#1275207に基づいて一部修正)


ぼくはプログラミングはしないけど、こういうことって「問題に対処しようとする(あるいは、しまいとする)誰にでもあるのかも」などと思った。「合併症もあるよね」みたいな指摘もどっかにあり、そうだよなあと相づち。

あれだ、ほれ、認識のバイアスとか、信じたいことを信じるとか、そういう傾き。


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posted by 亀@渋研X at 17:06 | Comment(3) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 【メモ】私やあなたのカルト宗派

2008年01月04日

汎用インフルエンザ・ワクチン

「科学ニュースあらかると」さんによると、BBC Newsが、新しいインフルエンザ・ワクチンの開発に関する記事を掲載したそうです。

記事 : 汎用インフルエンザ・ワクチンの可能性が見えてきた(科学ニュースあらかると 08年01月04日)
http://www.mypress.jp/v2_writers/beep/story/?story_id=1693267

概要は
・従来のワクチンと異なり、変異しにくいタンパクをターゲットにしている
・そのため、一生に一回か二回の接種で免疫が持続することが期待できる
・鳥インフルエンザ「H5N1」にも効く可能性がある
・人間を対象にしたテストでも効果が確認されている

とのこと。
詳細はリンク先をお読みいただくとして、ひょっとすると、これで年間数十万人の生命が救われるのかもしれない。新型インフルエンザの流行(パンデミック・フルー)に間に合えば、素百万人とかのオーダーの、本当に数えきれないほどの人命が救われる可能性が出てきたわけですね。日本でも同種のワクチンの研究は進んでいるそうですし、実用化に成功したら、こういう人たちにノーベル賞が行くのかなあ。

まあ、実用化にはまだ数年かかるそうですから、それまで現在の予防接種の必要性は変わりませんし、高リスク群の方々が罹患した場合はタミフルやリレンザなどの治療薬が必要なことは開発後もきっと変わらないのでしょう。それでも、いやあ、いろいろな意味で朗報ですよね。

こうなってくると、耐性菌を作りだしちゃって新型インフルエンザの発生を早めたりしないことも重要性を増すのではないでしょうか。

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posted by 亀@渋研X at 22:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 汎用インフルエンザ・ワクチン

大学とかのWebサイトを考える4

なんか、短時日のにわか考察なためとか、論点が複雑に絡む大きめの問題を扱っているためもあって、論点の整理をし切れていない感が濃厚ですね。長さの割に労多くして実りが少ない(書いているぼくにも、読む人にも。大串さんはじめ読んでくださっている方、すいません)文章になっているような。けれども、乗りかかった船なので、先に予告していた
そもそも吉岡氏が自分のWebサイト上で主張していること(今回の訴訟での主張そのものではないことに注意)を再度整理して、彼の論点について考えてみたりしようかなあ
にとりかかる。

あ、疲れたのと気分転換のため、「敬体(ですます調)」はもう終わり。「常体(だ、である調)」で行くことにする。



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posted by 亀@渋研X at 03:02 | Comment(2) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 大学とかのWebサイトを考える4

大学とかのWebサイトを考える3

大学とかのWebサイトを考える2」の続きです。

メリットやデメリットを考えるとき、同じ特徴が立場を変えるとメリットになったりデメリットになったりすることがあります。そこで、まず特徴を確認し、その後にそれぞれの立場ごとのメリット、デメリットを考えてみましょう。
table01.jpg

なんか、まじめにやりすぎてムダな手間をかけている気もするけど、まあいいや。

以下、上記の表の各項目について、立場ごとのメリット、デメリットを考えてみましょう。前項とダブる部分が出てきたり、十分に整理されているとは言えないけど、大串さんが気づいてなかった論点でも出てくれば御の字。

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posted by 亀@渋研X at 00:40 | Comment(1) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 大学とかのWebサイトを考える3

2007年12月30日

雪は天からの手紙 - 中谷宇吉郎

2000年の番組ですが、さっき気づきました。Sky Perfect TV サイエンスチャンネル実験!発見!歴史科学館」の第一話です。

雪は天からの手紙 中谷宇吉郎」(29分。視聴にはReal Playerが必要です。Win版Mac版

伝記的な内容もおさえつつ、業績を紹介しています。もちろん、雪の結晶(水の氷結結晶、氷の結晶)の形状が決まるメカニズムや中谷ダイアグラム、「雪は天からの手紙」という言葉の意味も。家庭でもできる、ちょっとした実験も紹介されています。

さて、なんでこれを採り上げるのか。もちろん、いい番組だってこともありますが、たまたま見ちゃった下記の記事があんまりだと思ったのです。

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posted by 亀@渋研X at 21:52 | Comment(8) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 雪は天からの手紙 - 中谷宇吉郎

御茶大乱訴事件についてのコメント【追記あり】

kikulogにこんなコメントがついた。
大串富史 ― December 29, 2007 @22:14:37
オーマイニュース市民記者の大串です。

菊池先生へ:
メールの件、了解しています。どうぞ先生のお手すきの時によろしくお願いいたします。

皆様へ:
今回「不特定多数が書き込める掲示板は大学には不要?」
と題して記事を執筆させていただきましたが
http://www.ohmynews.co.jp/news/20071225/18915
この一連の記事の参考とさせていただきたく
一般の方々のご意見を現在広く採取中です。
http://news.goo.ne.jp/hatake/20071229/kiji745.html
皆様のご意見も
もし差し障りなければどうぞお願いいたします。:)
(匿名での発言が可能です
当該の記事とリンクされていた関連記事(これこれ)を読んで「ご意見を現在広く採取中」というgooニュース畑にコメントをしようとしたら、なんだか設問というか選択肢に違和感がバリバリ。



※2008/01/04追記:
このエントリがきっかけで、以下のエントリを起こしました。長いですが、ご関心があれば、そちらも併せてお読みいただければ幸いです。
(12/31)大学とかのWebサイトを考える1(学校等が掲示板を管理運営するって、どういうことなのか。特に管理コストについて)
(01/03)大学とかのWebサイトを考える2(学校のドメイン下で、教職員が独立したコンテンツを公開することについて。まず、個人ページってどのような形態があり得るかの整理)
(01/04)大学とかのWebサイトを考える3(各形態それぞれの特徴と、そのメリット、デメリット、「組織の意見と個人の意見の混同」問題や自主管理の可能性を考える)
(01/04)大学とかのWebサイトを考える4(訴訟以前の段階での原告・吉岡氏の主張を整理して考えてみる)



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posted by 亀@渋研X at 00:46 | Comment(6) | TrackBack(1) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 御茶大乱訴事件についてのコメント【追記あり】

2007年12月29日

酒屋の若旦那と裁判

こういう経験をしたことがある。

ぼくがまだ学生か、学生をやめたばかりの頃かな(ってことは、20年ほど前のことだ)。酒屋の若旦那が実家に配達に来た。で、ばあちゃんか誰かと話をして、ぼくが法学部に在籍している(あるいは、在籍していた)ことを知ったらしい。そこで、ぼくにこんな話を始めたのだ。
知り合い(取引先の誰か)が、交通事故がらみで加害者として疑われていて、裁判になった。参考人かなんかとして出廷してほしいと言われた。これは出なければならないのだろうか、行かないと罰せられたりするのだろうか、というのだ。


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posted by 亀@渋研X at 18:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 酒屋の若旦那と裁判

2007年12月28日

出版屋にとっての「一般の科学リテラシー」

ニセ科学を考えるにあたって、「一般の人が科学と考えるかどうか」が問題になることがあります。そこで、ちょっと自分の経験を。

書籍なんかを作っていると「一般」という読者層の考え方がありまして、ぼくが編集プロダクションにいた十年前ごろまでは「高卒程度の知識と理解力のある人」なんて考えていました。以下は、ぼくの付き合いの範囲での印象ですが、「一般読者」というものが、ぶっちゃけどんなものと考えられていたのかを、列挙してみます。

「高卒程度の知識と理解力」というのは、「特に苦労をしないで新聞が読める程度」と言い換えられたりもします。新聞には、けっこう基本的な科学の話でも解説が出てたりしますよね。「高卒程度」とは言っても、高校で習ったことを覚えているという意味ではないわけです。それは日常生活を送るなかで忘れられていることになっています。実態としては「知識面では高校入学程度」が想定されているような雰囲気があります。
しかも、ハードルは徐々に下げられています。ぼくが業界に入った20年ぐらい前は、使える漢字として「助詞や副詞以外では、常用漢字を含めるか否か」なんて話が企画によってはあったのですが、いまはもう基本的には含めない方が多いでしょう。線が引けないので「難読漢字や使い分けがややこしい漢字は、使わない」という抽象的な不文律が浸透しているようにも思います。

そして、「一般の読者」が具体的にどの程度の読解力や知識があり、どの程度に判断力を働かすかは、自分たちを基準に考えています。「オレが読んでわからなければ、読者にもわからない」「オレがわかるんだから、読者にもわかるだろう」というヤツです。


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2007年12月27日

タミフルと異常行動:各紙の論調【追記あり。亀@渋研Xの誤報でした(-_-)】

【19:50p.m. 追記・訂正】ごめんなさい! このエントリには大きな誤りがあります! 詳細は後述。

25日に厚労省が、「タミフルと異常行動の関連性」について新しい発表を行った。これについて、新聞によってかなり印象の違う採り上げ方がされている。

まず、ニュートラルなところを読んで、事実関係だけを理解することにしよう。たとえば東京新聞(共同通信)。

因果関係はっきりせず タミフルで厚労省調査会(東京新聞 2007年12月25日)

朝日新聞もまあ、ニュートラルかな。
タミフル、10代の使用制限継続 影響なお不明 厚労省

読売新聞は、2つに記事を分けた。
タミフル「10代禁止」継続…厚労省調査会/異常行動 因果関係判断保留(読売新聞 2007年12月26日)
タミフル治療混乱も 厚労省調査会結論先送り/使用現場任せに(読売新聞 2007年12月26日)

ここまでは、まあそんなに大きな違いはないと言ってもいい。下記の2つの記事に比べれば。
実は、同じ話が毎日新聞と産經新聞では、真逆のような話になっている。
【19:50p.m. 追記・訂正】と思ったら、毎日新聞のみが、別のデータに基づく記事「も」出していたのだとさっき気づいた。詳細は下記。

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2007年12月25日

これぞ「ゲーム感覚」!?

起きてみたら、ちょっとしたクリスマスプレゼントのようなお話に出会った。

数学という名の恋人(道草学習のすすめ 2007年12月25日)
いわゆる成績優等生は
数学をおもしろがるといったことよりも
テストで良い点をとることの快感で
十分に満足しているようである。

だけど、本当に素質のあると思われる
数学(もしくは算数)大好き少年少女は
1つの問題にじっくりとことを好むことが多い。
そして、できた瞬間の得もしれない精神の開放感を楽しむのだ。

だけど、その感覚はほんの一瞬。

解けてしまえば、またつまんなくなってしまうのだ。

そこで、またそのような難しい問題を探すことになる。

ぼくは数学全般を好きだとは言えないけれども、たとえば「証明(幾何?)」なんかは好きだった。だから、この感覚はわかるつもり。

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2007年12月23日

不審者とUFO

第12回 防犯PTAはこのままでいいの?(『みんなのPTAを探して』 ブログ版 2007年12月20日)を読んだ。
――バランスの問題でしょうか。ぼくが知っているPTAのお母さんで、熱心に防犯活動をしている人がいて、芹沢さんの本[亀註:『犯罪不安社会――誰もが「不審者」?』(光文社新書)]を読んでもらったんです。感想を聞いたら、「この本、信じられない、受け入れられない」って。

芹沢 その「受け入れられない」とは、どういう意味なんですか?

――頭のいい人だから、理屈としてはわかるわけです。警察の方針次第で認知件数が増減するカラクリもしっかり理解する。でも、「かりに治安は悪くなっていないとしても、私と子どもが住む町には不審者なんて一人もいてほしくない」って。

芹沢 「一人もいてほしくない」という心性って、ちょっと前まではなかったと思うんです。どこから出てきたのでしょうか? 実際に犯罪も増えていないなかで、なぜそこまで強い思いが、国民一人ひとりに内在化してしまったのか。
(中略)
芹沢 少し前に、奈良の大学教授が子どもに声掛けをして捕まり、起訴までされました。お母さんと子どもが離れていたそうです。それで、「昨今、こういうのは危ないから、お母さん、目を離しちゃダメよ」みたいなことを言ったところ、それがなぜか向こうには「誘拐するぞ」に聞こえたらしく……。

――身につまされます。ぼくも、知らない子どもによく声掛けをするので。流れてきた不審者情報で、これは自分のことだと思ったことありますし。

この辺を読んで、最近の自民党のUFO祭りを思い出した。


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2007年12月18日

誰が「祈り」を踏みにじるのか 2

さて、前述の〈誰が「祈り」を踏みにじるのか〉と少しは関係あるような、しかしささいな話。でも、こんなところから見えてくるものもある。かも。


もうこの話はやめようと思ってたんだけど、「神の手」写真、いよいよ末期的です。
今日のお題は
・不幸の手紙版
・撮影者も増加中
・新説登場
そして
・「祈り」にも似た話
の4つです。

そういえば、やぶいぬさんも新しいエントリを起こしてます。

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誰が「祈り」を踏みにじるのか

安易にスピリチュアルな言説をする者がいる。昔からいる。今もいる。

いわく「前世」「霊魂」「輪廻転生」、いわく「私には(見える人には)見える」。

それに心を寄せる人もいる。よすがとする人もいる。昔も今も。
「癒される」「気持ちが楽になった」「いい話だ」「真実がある」「温かい気持ちになれた」「救われた」

しかしこうした言説は、実は人々の切実な「願い」や「祈り」をこそ辱め、貶めているのではないか、と考えた(ううむ。ソラで書けない文字遣いをしてしまった。でも「はずかしめ、おとしめている」と平仮名で書くよりも強く感じませんか? 感じない? いや、言葉の意味は変わらないので印象が異なるだけ、言い換えれば気のせいに違いないのですが。これは文学ではないので、それでいいのですが)。

なにをどう考えたのか。順を追ってみたい。

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posted by 亀@渋研X at 03:49 | Comment(0) | TrackBack(1) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 誰が「祈り」を踏みにじるのか