2009年05月21日

新型インフル、かかったらどうする:専門家による「達意の文章」

発熱外来患者さんへ(楽園はこちら側 2009年5月20日)

神戸大学病院発熱外来の「発熱外来を受診された患者さんへ」と「自宅療養中の健康管理方法について」。

具体的ですばらしい説明だと思います。発熱外来の目的も書かれているし、ブコメでも言われているように、患者の気持ちへの配慮も行き届いてるし。

はてなブックマーク - 発熱外来患者さんへ : 楽園はこちら側

あと、児童生徒さんは、症状が治まったらお医者さんから登校許可をもらってね(そのときは、たぶん発熱外来じゃなくてもいいんだと思う)。

マスコミは、こういう情報こそ流してくれー。

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2009年05月19日

臨時休校になったら、近所で感染者が確認されたら【微修正】

コメント欄で教わったりしているのですが、感染者が確認された地域ではいろいろと大変な状況になって来ていますね。これ、ぜんぜん人ごとじゃないと思うんですよ。
2009/5/31
コメント欄でご指摘をいただき、「遺伝子検査」について加筆とか修正とか

というわけで、「自分の地域で感染者が確認されたらできそうなこと、その前後にやっとくとよさそうなこと」をずらずらと書いてみました。家族ができること、周囲ができること。

考えが足りないところなど多々あると思うので、ツッコミならびに情報やアイディアを歓迎。自分がそうなので「子どものいる家庭」についてしか考えられていないし、自宅で仕事なので通勤についても考察できてない。単身者は、とか、いろいろバリエーションもありだと思う。


インフルエンザ対策って言うよりも、インフルエンザが流行しているんだかなんだかよくわからない状況で休校・休園になっちゃったら、って感じの話です。発症したら所定の手順でとか、予防するにはどうしたら、とか、そういう情報はよそにおまかせ。

今回のA/H1N1がいったん沈静化しても、秋以降に第二波、第三波が来る可能性もあるし、そのときに備える意味でも。もちろん将来H5N1由来のが流行する可能性もあるし。そのとき、まだ社会が学んでいなくて、同じことが起きるかもしれないし。

次はそこだぞ、とか、用心しろって言うのともちょっと違う。

実際どうなのかはともかくとして「すでに感染者はどこにでもいる,次はうちの方かも」と思っていれば、いざ近所で感染例が確認されて「臨時休校だ」とかなんとかなっても、心の準備ができますよね? 「よし、来たな」って言える状況になってると、落ち着いて対処できるじゃないですか。そういう話。
  • 休校になったら
  • 家族が発症したら
  • マスクはどう考えよう
  • 子どもの暇つぶし対策
  • 小中学生の自宅学習サポート
  • お留守番について
  • 企業経営者や管理職へのお願い
  • 回復したら
  • 関係行政やメディアへのお願い
てな感じです(最後にちょっと注釈めいた話も)。

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2009年05月17日

新型インフルは、ほんとに難しい

改めて、痛感しました。

今はとにかく専門家の言う通りにしとくしかねえなあ、と。

いや、やっぱり素人考えは禁物ですよ。具体的には「「基本的対処方針」の実施について(0516官邸pdf)」に従うのがいいんだろうな、ってことですが。

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2009年05月07日

インフルエンザ便乗商法への警告

原稿が書けなくてうんうんしてて(パソコンもオレの頭もいろいろ調子が悪いんだよう)、ふとRSSに逃避したら、食品安全情報blogの今日のエントリで、2つのインフルエンザ関連情報が目に入った。

HSAは消費者に対しインフルエンザA (H1N1-2009)を予防したり治療したりすると称する健康製品を購入する際には注意するよう助言する

FDAとFTCは2009 H1N1インフルエンザ用のインチキ製品について警告

前者はシンガポールのHSA(保健科学庁)、後者はアメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)とFTC(連邦取引委員会)の話。

日本の厚労省、経産省、農水省、公取委あたりも共同で警告を出してくれないものか。
被害が出るまでダメかな。

kikulogで紹介されていたのだが、メキシコで今回の新型インフルで死者が多い理由として、先頃New York Timesは庶民の経済的事情や代替医療が関係していると報じたようだ。

First Flu Death Provides Clues to Mexico Toll(NYT April 30, 2009)
But one important factor may be the eclectic approach to health care in Mexico, where large numbers of people self-prescribe antibiotics, take only homeopathic medicine, or seek out mysterious vitamin injections. For many, only when all else fails do they go to a doctor, who may or may not be well prepared.

原文と併せて「nakanishiさんの日本語訳」も紹介されていた(typoは勝手に修正[オメオパシー→ホメオパシー])。
しかし、重要な要因のひとつに、メキシコでの医療や健康管理の混沌とした現状があるのかもしれない。メキシコでは、抗生物質を自分で処方する人がたくさんいるかと思えば、ホメオパシーの薬しか飲まない人や、或いは、怪しげなビタミン注射に頼る人さえ少なくない。多くの人にとっては、医者にかかるというのは、万策尽きた最後の手段でしかないのだ。その医者でさえ、頼りにならないことがしばしばあるのだが。

nakanishi ― May 7, 2009 @08:32:37
そうなっちゃってからでは、いかにも遅いと思うんだけどなあ……。
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2009年05月05日

いま熱が出たら、どうしろって話?

さっき、ちょっとクラっとくる報道を読んだ。東京でおきている診療拒否(感染症診療の原則 2009-05-05)経由。

新型インフルエンザ:感染国に渡航歴ないのに…発熱患者の診察拒否 東京で63件(毎日新聞 2009年5月5日 東京朝刊)(魚拓

これは本当に診療拒否なのか。過剰反応なのか。そもそも「2日朝〜4日朝」のほとんどは時間外だよ。2日は土曜で大半の病院が午後は休診、3日は日曜で休診、4日は国民の休日でやっぱり休診。これを「2日朝〜4日朝だけで計63件に上る」と書いちゃうと、なんかおかしくないか。なんなんだ。

と思っていたら、さっきFNNのニュースをWebで見てやっとわかった。

新型インフルエンザ 都内の病院で発熱などの症状訴える患者が診察拒否される例が相次ぐ(FNN 05/05 14:19)(魚拓

どうやら2日朝から4日朝までに東京都に寄せられた相談の話で、それが4,085件あり、そのなかに「私は診察拒否された」という内容のものが63件あったというのだ。診察時間とはなんにも関係がなかった。

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2009年04月29日

適切に怖がるための「リスクとハザード」

「リスクとハザード」って、微妙にわかりにくくありませんか?

さっき科学ニュースあらかるとさんをチェックしたら、ちょうどよい事例が出ていました。

「チワワ」も犬。「セントバーナード」も犬。(科学ニュースあらかると 2009年04月28日)

WHO:「空港での検疫は無意味」(科学ニュースあらかると 2009年04月29日)

前者がハザードの話、後者がリスクの話ということができます。両方をざっくりまとめてしまえば、こんなことです。
豚インフルエンザ由来の新型インフルエンザ・パンデミックの危険(リスク)は増大している。しかし、現状では鳥インフルエンザ由来の場合ほどの危険(ハザード)はないようだ。総合的に見ると、いまのところ、これまで警戒していたほどの危険は認められない。
なんのことだかわからんわい、という方は以下をどうぞ。

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2009年04月28日

プレジデント「血液型で性格を決めつける人とどうつきあうべきか」

血液型で性格を決めつける人とどうつきあうべきか(プレジデント 2009年4月20日)について、はてなブックマークを見て思った細かいことなど少し。

まあ、ぼくがぐしゃぐしゃ言う話でもないんだとは思うのだけれど、「ああ、こういうメディア側の勝手な約束事だの工夫みたいなものって、意外に気づいてもらえなかったり、裏目に出たりするのね」なんて思った部分もあり。

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posted by 亀@渋研X at 12:34 | Comment(3) | TrackBack(0) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - プレジデント「血液型で性格を決めつける人とどうつきあうべきか」

豚インフル、条件付きフェーズ4へ【追記あり】

mixi日記からコピペ。
17:38追記:豚インフルについての簡潔でわかりやすい解説がありました。
共有資料 ブタインフルエンザの一般向け説明書(感染症診療の原則 2009-04-26)

17:50 末尾にも追記。

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豚インフル、条件付きフェーズ4へ(2009年04月28日11:02)

日本時間の昨夜半、WHOが豚インフルエンザの警戒水準を、従来の「フェーズ3」から、条件付きながら「フェーズ4」へ引き上げたようです。条件付きなのは、今回のウイルスが懸念されていたものより危険度が低そうなのに、ひとりメキシコでだけは危険な状況だから、でしょう。

WHOの豚インフルのページはこちら。
■Swine influenza(WHO)
http://www.who.int/csr/disease/swineflu/en/index.html

今朝発表の宣言。
■Statement by WHO Director-General, Dr Margaret Chan
27 April 2009
http://www.who.int/mediacentre/news/statements/2009/h1n1_20090427/en/index.html

機械翻訳
http://www.excite-webtl.jp/world/english/web/?wb_url=http%3A%2F%2Fwww.who.int%2Fmediacentre%2Fnews%2Fstatements%2F2009%2Fh1n1_20090427%2Fen%2Findex.html&wb_lp=ENJA&wb_dis=2&wb_submit=+%96%7C+%96%F3+

「条件付き」の内容は、「感染国への渡航制限が含まれない」ってことらしいです。ふつうのフェーズ4だと感染発生国の国境は封鎖され、感染発生国への渡航も禁止されるんだけど、それを「制限はしないけど、よく考えてね(つまりさ、遊びならやめといたほうがいいかもね)」と呼びかける程度に抑えた、ってことらしい。

無視はできないけど、いまのところはそんなに危険視してない、って感じでしょうか。


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2009年04月18日

ニセ科学にまつわる議論にまつわるモヤモヤ

お気づきの人も多いだろうけれども、「王様は裸だ!Annex」のJudgementさんが2つのエントリをアップされた。

疑似科学批判批判批判批判(王様は裸だ!Annex 2009-04-16)

イノセント(王様は裸だ!Annex2009-04-17)

すでに、いくつかの応答があちこちで書かれている。先方のコメント欄やトラックバック欄をご覧あれ。

両エントリの半分ぐらいは、なんだかわかるような気がする。それへの応答も、特に大きく「違うだろう」という気はしない。例によってもやもやとしているけれど。「くだらん」とは思わないけれど、「くだらん」と思う人もいるだろうなあ、というような。

ぼくあたりが反応するのはなんか筋違いのような、いやいや、そんなことはない、むしろなんか積極的にエントリを書くべきでは、などと考えたり、しかし、なにをどう、となると、ぜんぜん考えがまとまらない。ええい、まとまらないままに書くことにする。と、読んだ初日に書きかけていたものは、ブラウザが落ちて消えてしまった(-_-)

性懲りもなく、また書く。てんで応答にはなってない……ような気がするけど(オレ、最近コメント欄でもそんなことばっか言っているなあ)。

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2009年04月12日

宇宙の「手」

ASIOSの本のからみで、最近はどうなのかな、とググったら、こんなのが引っかかった。



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2009年04月05日

自然科学と人文科学。どっちもわかっていない自分

だいぶ間が空いたので、しばらく塩漬けになっていてまとまりそうにないエントリを、ひとつだけアップしてみる。タイムスタンプは「2009-02-15 14:10:56」となっている。実は、ほかにもゴマンと塩漬けがあるのだが、ちょっと調べものをしていたら、このエントリが目に留まったので、これでいいのだ。


ノンフィクションと「ファクト」(Chromeplated Rat 2009-02-15)経由で一種の知的活動ではあるのだが、どうもサイエンスとは異質の作業であるらしい(セキュリティ&コンサドーレ札幌 2009.02.15)を読む。

doleさん(でいいのかな。「セキュリティ&コンサドーレ札幌」の主さん)のエントリの方は、少しわからないことがある。多分、冒頭の地団研の話と、最後の方に出てくる池田清彦、福岡伸一、茂木健一郎の話とが、どれぐらいリンクしているのかがわからないから、かな。
ともかく、トンデモやニセ科学とは違う、でも現場の多くの科学者とは決定的な通訳不可能性のある、自然科学のようで自然科学でないような曖昧な分野、しかしなぜか人文科学者や文化人からは人気がある分野って、実際あるんだよね。

で、人文分野としてそんな思想があっても全然よいのだけど、なぜかこーゆーのに限って、世間では自然科学(理科)として扱われがちなのは、理科教育の面から見て困ったもんだと思う。

一種の知的活動ではあるのだが、どうもサイエンスとは異質の作業であるらしい

実際は人文科学領域の話なのに、読み手に自然科学領域の話と受け取られてしまうことがあるという指摘なのか、逆に、そのように語られてしまうことがあるという指摘なのか、そこがよくわかんないのかもしれない。「理科教育の面から見て困ったもんだ」というのは、どっちの場合でも変わらないようにも思うけれど。

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2009年03月28日

「科学者にも怖いものはある」最終回

きくちくんの「科学者にも怖いものはある」が最終回を迎えた。

最終回 最後は折り合いをつける(webちくま「科学者にも怖いものはある」菊池誠 09.3.27)

第一回の「君と僕のリアル」は08.4.11だった。1年間の連載だったわけだ。もう1年経ったのね。歳とると、1年って早いねえ……。ちなみに、関係者が疲れたとか人気がなくなったとかではなくて、最初から1年間の予定だったのです。早く感じると言っても楽なわけではなくて、むしろあっという間に次の〆切が来るわけで、きくちくんも水玉画伯も担当者さんも、本当に1年間おつかれさまでした。

「ニセ科学」なんて言葉は、知らない人の方が圧倒的に多いわけで、そういう意味では問題の所在さえ知らない人にもけっこう取っ付きやすく、それなりに「どんな話」なのかという概要を知ってもらえる文章群になったのでは、と思う。ツェッペリンから入るのが本当にいいのかとかいう人もいるだろうけど、いいんです。


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posted by 亀@渋研X at 02:22 | Comment(0) | TrackBack(1) | 渋研X的日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 「科学者にも怖いものはある」最終回

2009年03月12日

「吸血鬼」の頭蓋骨

ここ数日、びっくりしてばっかりでいろいろ進まないが、またびっくりしたので書いておく。

イタリアで“吸血鬼”の頭蓋骨を発見(ナショナル・ジオグラフィック日本版 March 10, 2009)

「源頼朝公、10歳のみぎりのされこうべ」の仲間ですか。と思ったら、違う。「吸血鬼とあつかいされてしまった人」の頭蓋骨なのね。

記事を読んでびっくりしたのは、発見された話よりも、その発見が初めてであるということよりも、「中世に、吸血鬼の存在が広く信じられていたのは、主に腐敗のプロセスがよく理解されていなかったため」という話。なんですと。


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2009年03月10日

実感「宇宙やばい」

先日、鈴柩さんちで「東京を銀河中央として、自分のいるところを太陽とした場合、子どもたちに宇宙の広さが実感できるんじゃないかなあ」なんて話をしてたんです。
銀河中央ー太陽系を東京ー岩手だとすると、○○小学校ととなりの△△小学校は、地球と火星に当たるとか、ぼくんちは月だ、とか

牧歌的。アイディアとしては、悪くないでしょ?

で、鈴柩さんが計算してくれたんです。チョー意外でした。

掌の上の宇宙(日々の戯れ 2009/03/03)

ぶっ飛びました。子どもじゃなくて、こっちが勉強しちゃいました。

全然違うっていうか、まさにそうっていうか、なんていうか。

凶悪でした、宇宙の広さ。

ていうか、知らないにもほどがあるよ、自分。

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2009年02月22日

ジェネパックス、WES開発計画を再考と発表

昨年6月に「水で発電するウォーターエネルギーシステム(WES)」の発表を大々的に行って、いろいろな意味で話題を呼んだジェネパックス社が、同社サイトのトップページに「計画を再考」するとしたあいさつを掲載している。

株式会社ジェネパックス魚拓
開発に要するコストも膨れ上がっており、そのような状況の中で、弊社のリソースにも限界があるため、弊社としましてはここでいったん弊社のリソースを再整理して商品開発の計画を再考させていただくこととし、本ホームページを閉鎖させていただきます。

mixiの「科学とかSFとか」コミュのトピック「雑談(軽いネタ系)」で知った。投稿は19日だが、同社サイトのあいさつがいつから掲載されていたのかは不明。

発表当時の魚拓(群)も紹介されていた。
http://megalodon.jp/history/20080610/8

私たちの思い - 株式会社ジェネパックス
ニュースリリース - 株式会社ジェネパックス
会社概要 - 株式会社ジェネパックス


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2009年02月09日

「ワクチンで自閉症」の根拠に捏造

いろいろ余裕がないので、簡単なご紹介だけ。

「MMRワクチン(新三種混合ワクチン)の接種が自閉症の原因となる」とする主張が根強くあります。しかし、多くの調査研究は、その主張を支持するようなデータを得られず、むしろ否定するデータばかりだという話です。

ワクチンと自閉症:多くの仮説があるが何の相関もない(食品安全情報blog 2009-02-02)

また、数少ない「ワクチン犯人説」を支持する研究は、データを都合良く操作したものだったとわかった、とのとです。

「自閉症とMMRワクチンの関連を示す」論文のデータがフェイクだった by Times(忘却からの帰還 2009年02月08日)

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2009年01月28日

がんワクチン&「がんになっても、あわてない」

がんは日本人の死因一位の座を守り続けていますね。ということは、がん患者家族は、日本中に無数にいるはずです。ぼくもその端っこにいる一人です。母や母方の親戚の多くががんで死去していて、飲酒や喫煙等々の悪癖と縁を切れないぼくも、いずれがんで死ぬのだろうと考えています。今は母の妹や何人かの友人が、再発の可能性をかみしめながら存命中。そんな立場の人が、無数にいるはずですよね。

もちろん、今現在、がんと戦っている人も、その家族も大勢いるはずです。それと気づかないだけで、さっきすれ違った人だって、電車で隣り合わせた人だって、いつも笑い合っている友人だって、そうなのかもしれない。

そう考えると、がん治療に関する情報は、常に高い関心をもって迎えられているはずです。そしてそこには、救いのない思いをしている人も、不確かな情報に戸惑っている人も、たくさんいるはずで。

それだけに、先日の報道ステーションでのホメオパシーの扱いは、本当に残念です。警鐘をこそ鳴らしてほしかった。


がん関係の2つの情報をご紹介。
ひとつは知人の日記で知った、新しい取り組みの話。もうひとつは、どっかでブックマークをたどって知ったブログ。いずれもすでに有名かもしれません。

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2009年01月26日

タミフルが効かなかったら

スタジオパーク 「タミフル効かないAソ連型急増」(論説委員室ブログ:NHKブログ 2009年01月26日)を見て、あ、そうだ、と思い出したのでmixiの日記を転載。なお、備蓄については触れていません。例によって素人考えなので、事実誤認などありましたらご指摘歓迎。

[mixi]タミフルが効かなかったら(2009年01月23日04:43)

インフルエンザになって、タミフルを処方してもらったのに効かなかったら、どうしたらよいのでしょう。タミフル耐性菌の話も、しばらく前の報道に出てましたよね。

タミフルやリレンザなど、ウイルスの活動を抑える薬を使うと、5、6日は続くはずの熱や痛みが3、4日ぐらいで治まるはずです。ってことは4日めとかになっても治まらなかったら、もう一回病院に行くべきなのでしょうか?(っていうか、1日かそこらしか短くならないんだから、ようすを見ているうちに終わりそうですけどね(^^;;)

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2009年01月25日

不安なときは#7119に電話を:空気を読みすぎる読者たち

さっきびっくりして書いたmixi日記をこっちにも転載。事実誤認等があったら乞うご指摘。

[mixi]不安なときは#7119に電話を:空気を読みすぎる読者たち(2009年01月25日12:11)
■心筋梗塞の疑い 迷わず119番を
http://mainichi.jp/select/science/news/20090124dde041040008000c.html

ニュース日記に「判断がつかない」とか「そんなこと言って、ホントは空振りだったら叩くんだろう」とかいう人がけっこういる。

■このニュースに関する日記一覧(106件)
http://news.mixi.jp/list_quote_diary.pl?id=730119

いざというとき、もしも判断に迷うようなら「#7119」へ電話して相談しよう。下記は東京消防庁のページだけど、全国で同じ番号のはずだ。

■迷ったら救急相談センター「#7119」
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/kyuu-adv/soudan-center.htm

小児についての番号もある。これも全国で同じはず。

■小児救急電話相談「#8000」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html


冒頭の記事は、記事末尾にもあるように〈一般への調査では、心筋梗塞の恐れがある「上半身の強い不快感」を感じた場合に、「すぐ119番する」人は平日の日中で12%、休日・夜間でも28%だった。〉という調査結果が出たばかりだから書かれたもののはずだ。空気を読みすぎなくていい。

医者や他者を、そんなに恐れてハリネズミみたいにならなくていい。あなたは、たぶん普通の判断をしている。誰も無闇に高度な判断を求めているわけではない。

「非常識なやつがいる」という話を我が身に照らして考えてみるのは立派な心がけだ。その話が気になるならば、多くの場合、その話は多分あなたに向かうものではない。その話が「考えること」を求めているのは、おそらくその話を気にも留めない人たちだ(空しいけれど)。

あなたが気になるのならば、多くの場合はちゃんと「他山の石」としてその話を教訓化できるだろう。

たまには間違う。それはそれで仕方ない。それが取り返しのつかないことではないといいね。なに、多くの場合は頭を下げたりすれば済むさ。済まないこともあるけれど。


たとえばコンビニ受診については、死にそうな激務で知られる小児科医や産科医などでさえ一定の理解を示している例は多い。「最初のお子さんの場合など、身近に相談できる人もいなくて不安になるのはわかるし、しかたがない面はある」といった談話を見たことがないだろうか。

多くの場合は「かかりつけの医師に電話を一本して相談したり、病院のホームページなどの〈よくある質問〉ページを参照するだけで無駄足を踏むことは避けられる」というアドバイス付きだ。これは裏返せば「命に関わることで素人判断は禁物」ということでもある。

なかには無茶を言う阿呆な医者だっているだろうけれど、多くの医者は鬼でも守銭奴でもキチガイでもない(医療不信によって絶望の淵に追いやられつつある医師は増えているかもしれないけれど)。マスコミの連中だって、考えは浅いかもしれないけど、鬼でも蛇でもない。そんなに怖がらなくていいよ。

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2009年01月23日

実験・検証・実証という表現の適合ライン。あるいは世間的イメージ

あなたはメディアに「検証しました」と言われると、どういうレベルや内容を思い浮かべるだろう。そして、その「思い浮かべたレベルや内容」でオッケーだと思えるだろうか。


2つ前のエントリ【FAQ】なにを調べれば「効果あり」と言えるのかは「具体的に」と言っても一般論の範囲を出ない話だった。で、それを踏まえて、今ちょっと悩ましい思いをしている話などしちゃう。思案投げ首中なので、ご意見募集。お気軽にどぞ。

なにかの現象をちゃんと確かめたと言えるためには、前記のようないくつかの条件をクリアしている必要があるということに異論がある人は、ほとんどいないだろう。じゃあ、そういう条件をクリアできていないテストの類いは、「実験」とか「検証」「実証」なんて呼んでもよいのだろうか。多分、ほとんどの人には断るまでもないけれど、4つ前のエントリ『MONOQLO』vol.2発売中【追記あり】で〈「検証」「実証」という見出しをつけてしまうのは問題〉と書いたのは、そういう問題意識からだ。コメント欄には「それでなにが問題なのだ」という意見と「あれは問題だと思う」という意見が1つずつ寄せられている。

辞書的には実証でも検証でも同じようなものだ。実験もかなり近い。たとえば三省堂「大辞林 第二版」@goo辞書で見ると「実証」「検証」「実験」となる。で、前述の条件がクリアされていないようなものを「検証」「実験」なんぞと呼んではいかんだろう、という気になる。それをテレビで「検証!」なんて言われてたら「検証になんか、なってないやん!」と即座にツッコミを入れるだろう。

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